新型コロナ、ゲノム調査で日本の水際対策の失敗が明らかに

国立感染症研究所は、新型コロナウイルスのゲノム分子疫学調査の結果を発表しました。

新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査
 
新型コロナゲノム解析
世界と日本のSARS-CoV-2ゲノム情報の塩基変異を用いたハプロタイプ・ネットワーク

中国発の第1波においては地域固有の感染クラスターが乱立して発生し、“中国、湖北省、武漢” をキーワードに蓋然性の高い感染者を特定し、濃厚接触者をいち早く探知して抑え込むことができたと推測される。

しかしながら、緻密な疫学調査により収束へと導くことができていた矢先、3月中旬から全国各地で “感染リンク不明” の孤発例が同時多発で検出されはじめた。
このSARS-CoV-2 ハプロタイプ・ネットワーク図が示すように、渡航自粛が始まる3月中旬までに海外からの帰国者経由(海外旅行者、海外在留邦人)で “第2波” の流入を許し、数週間のうちに全国各地へ伝播して “渡航歴なし・リンク不明” の患者・無症状病原体保有者が増加したと推測される。
この海外旅行者を契機とした同時多発と3月中旬以降の行動制限への理解が不十分だったことを鑑みても、由来元が不明な新型コロナウイルスが密かに国内を侵食し、現在の感染拡大へ繋がったと考えられる。

上の図で、
「初期の国内クラスター」が日本に第1波として入ってきた武漢のウイルス株を基点とした株
「輸入症例とそれを発端とした国内伝播」が日本に第2波として入ってきたヨーロッパ株を基点とした株
です。

ヨーロッパ株から変化した第2波のウイルスは、第1波のウイルスより感染力が強いのかもしれません。

日本は第1波は収束させることができましたが、その後、海外からの入国制限が遅れたことで「第2波」が流入してしまったようです。
もし、2月から欧米からの入国を禁止していたら、今の日本の感染拡大はなかった可能性があります。
 

ちなみに、この第1波と第2波を新型コロナウイルスの3つのタイプ(A,B,C)でいうと、
第1波はタイプB
第2波はタイプCが変化したもの
ということになるのでしょうか。

(参考)朝日新聞デジタル(2020/4/10)
新型コロナ、3種類に分類可能 東アジアや欧米など違い

新型コロナTypeABC
新型コロナTypeABC
Daily Mail

今回の感染研の発表と合わせて考えると、タイプCがシンガポール経由で欧州に入った後、さらに変化したものが欧州各国とアメリカの東海岸で感染爆発を起こした可能性があります。
日本の第2波もタイプC由来ですが、欧米のものとは違う株なので、欧米のような爆発的な感染拡大には至っていないのかもしれません。

いずれにせよ、現在欧米で広がっているタイプC由来の新型コロナウイルスには要注意だと思います。
まだ日本に入ってなければ、絶対入れてはいけないと思います。