緊急事態宣言延長、いつまでズルズルやるつもりか?

緊急事態宣言を1か月延長するなら、国と自治体は1か月間の具体的な計画を示すべきだと思います。

NHK NEWS WEB (2020/5/1)
首相 緊急事態宣言延長を4日に決定へ 全国対象に1か月程度

昨日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 で、緊急事態宣言(徹底した行動変容の要請)を解除する時に考慮すべき事が提言されました。

新型コロナ専門家会議提言
新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言

緊急事態宣言を1か月延長するということは、ここに書かれている事を達成するのに1か月かかるということだと思います。
その具体的な計画は4日に発表されるのでしょうか?
 

新規感染者数等(新規感染者数、倍化時間等)の水準が十分に抑えられていること

昨日、専門家会議から全国と東京の実効再生産数が発表されました。

実効再生産数
新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言

すでに4月10日の時点で1を切っていたということです。
東京は0.5です。
緊急事態宣言の開始の2日後にこの数字だということは、すでにその前の「自粛のお願い」の効果が十分出ていたのかもしれません。
現在の実効再生産数はさらに小さくなっている可能性があります。
新規感染者数に関しては、1か月の延長の必要性はあるのでしょうか。
専門家会議はもっと直近のデータを開示すべきだと思います。
 

必要なPCR等検査が迅速に実施できること

PCR検査の数の問題は2カ月以上前から言われていますが、相変わらず不十分なようです。
政府は「増やす増やす」と言うだけです。
ようやく医師会がPCR検査センターなるものを作り始めたようですが。

今いろいろ起きている問題は、PCR検査の大幅な拡大と迅速化でかなり解消できそうな気がします。
・感染が拡大(特に家庭内、院内、施設内)
・検査を受けられず重症化、死亡
・病院の負荷増大(陽性でも陰性でもないグレー扱い)
・医療用防護具の消費量増大
・救急患者のたらい回し
・街のクリニックの経営難
・差別、風評被害
・市中感染率が分からない
・感染からデータの反映まで2週間以上かかる
などなど

本来、政策を決定するためには、市中の感染率を正しく把握する必要があるはずです。
専門家会議はいろいろ理屈を付けて、今の感染者数のデータで判断できると言っていますが、

新型コロナ専門家会議提言
新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言

大雑把な傾向は分かるかもしれませんが、ずいぶん悠長なお立場の考え方だと思います。

今後、緊急事態宣言を解除した後は、第2波の被害を最小にするためにも、市中感染率を継続的に監視する必要があると思います。
専門家会議でも、もっと積極的に必要性を主張すべきだと思うのですが・・

ちなみに、すでに日本には全自動のPCR検査装置があるようです。
日本経済新聞(2020/4/7)
ロシュのコロナ自動検査キットに承認

コバス6800と8800は、国内の検査センターや大学病院などに35台ほど設置されている。新型コロナウイルスの検出に全自動検査装置を使えるため、検査者の負担が減ることが期待される。コバス6800の場合は24時間で1500人分、同8800は4000人分の検体を調べることが可能だという。

全部6800だとしても全てをフル稼働させれば、理論的には、
1500人分×35台=52500人分/日
のPCR検査ができることになります。
8800もあるので、もっと多いはずです。

PCR検査は検査技師が足りないと言われていますが、この全自動装置はどうなのでしょう?

cobas6800_8800
ロシュ・ダイアグノスティックスのプレスリリース

 

医療提供体制が確保できていること

何人もの知事が
「医療機関の状況を考えたら、緊急事態宣言の延長は必要」
と言っていましたが、1か月後に状況は改善するのでしょうか?

緊急事態宣言の延長が1か月なら、1か月で状況が改善する見込みがあるはずです。
国も自治体も具体的な計画を示すべきです。

それとも、1か月後、また同じ事を言うのでしょうか。