ワクチンパスポート導入の本当の目的は何だ?(その5)

大阪府はミナミの飲食店で行った「ワクチン検査パッケージ」実証実験の結果を発表したそうです。

MBS NEWS (2021/11/11)
「不可能だ」飲食店から厳しい声…行動制限緩和に向け『人数・時間制限なし』実証実験

大阪府は10月25日からの5日間、ミナミの12の飲食店でワクチンの接種証明や、陰性証明を提示することで、人数や時間の制限なく利用できる実証実験を行いました。その結果が11月11日に公表されました。
公表された結果によりますと、期間中に訪れた客は816人で、約半数が接種証明などがなく、近くの検査場で抗原検査を受けてから、実験に参加しました。
飲食店からは、「検査結果の確認や、抗原検査を店側が実施するのは不可能だ」など、厳しい声が多く、積極的にこの方法を取り入れたいという店はゼロでした。




大阪府 報道発表資料

今回行った実証実験は、感染防止の効果を見るわけではなく、オペレーションの確認のようです。

飲食店の評判は非常に悪かったようですが、まあ、そうでしょう。
ただでさえ忙しい夕方の時間に、接種証明とか陰性結果とかを確認して、さらに本人確認書類の確認まで、いちいちやってられないと思います。
そんな事、実験するまでもなく、ちょっと想像力を働かせればすぐ分かると思いますが、これも役所のアリバイ作りでしょうか?

もし、そんな面倒なことを認証の条件にして店に強制的にやらせるなら、感染防止効果を科学的に評価して説明する必要があると思いますが、どこかでやっているのでしょうか?
でないと、単なる「飲食店いじめ」になりそうです。

 
この「ワクチン検査パッケージ」も、感染防止は建前で、本当の目的は別の所にありそうな気がします。

政府はスマホ版のワクチンパスポートを12月中旬に導入しようとしているようです。

日本経済新聞(2021/10/20)
デジタル庁、2次元コード付き接種証明書は12月中旬に

デジタル庁は19日、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種証明書(以下、証明書)の電子交付に向けた仕様案の意見募集結果を公表した。運用開始時期について、従来は年内としていたが、今回12月中旬と説明した。

スマホで提示する2次元コードについては、利用者がスマホで証明書アプリをダウンロードし、スマホにマイナンバーカードをかざした上で4桁の暗証番号を入力して申請する。

マイナンバーカードがなくても接種記録にアクセスはできそうな気がしますが、なぜかマイナンバーカードが必要になっています。

もしかして、マイナンバーカードに記録されている顔写真のデータが使われるのでしょうか。
そうすれば、QRコードの読み取り端末に顔写真を表示できるようになるので、いちいち本人確認書類を確認する必要がなくなります。

そして将来的には、全国の飲食店に顔認証の端末が導入されるかもしれません。


Panasonic 顔認証付きカードリーダー

これがあれば、ワクチン接種済みかどうかも、本人確認も、店員の手間をほとんどかけずにできてしまいます。

また、地域の感染が拡大してきたら、ワクチン接種などに関係なく全員入店禁止にすることもできます。
入店客数のカウントや営業時間の確認も自動的に行うことができます。
端末を無視して入店した場合は、カメラで撮影されているので、後で店にペナルティを課すことが可能です。

どの飲食店の営業時間をどうするかも、来客数をどうするかも、政府や自治体が自由自在にコントロールできるようになります。

 
最初は飲食店とイベント会場くらいかもしれませんが、いずれはあらゆる所に顔認証端末が設置されるようになる可能性もあります。

マイナンバーと顔認証で広がるデジタル管理社会・デジタル監視社会
 

・ワクチンパスポートの導入とマイナンバーカード連携
・マイナンバーカードの健康保険証化と顔認証端末の導入
これはデジタル管理・監視社会に向けての第一歩かもしれません。

ボーっとしていたら、どんどんこのような方向に行きそうな気がするのですが、いいのでしょうか?

とりあえず、私はワクチンパスポートをチェックする店には行きませんが。

 
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