日本の首都東京で「電力需給ひっ迫注意報」

いつから日本はこんな脆弱な国になってしまったのでしょう?

Impress Watch (2022/6/26)
27日は東京エリアに「電力需給ひっ迫注意報」。15時~18時

政府は、6月27日(月曜日)の夕方15時~18時の時間帯に東京エリアの電力需給が逼迫するとして「需給ひっ迫注意報」を出した。
27日の東京エリアの電力需給は16時~16時30分の予備率が4.7%、16時30分から17時の予備率が3.7%と「厳しい見通し」としている。そのため、夕方15時~18時の時間帯は、冷房等を活用しながら、使っていない照明を消すなど「無理のない範囲での節電」を求めている。

東京電力はこのようなプレスリリースを出しています。


東京電力パワーグリッド

このような状況になったのは、3月の福島県沖の地震で損傷した火力発電所がいまだに復旧していないからだそうですが、

産経新聞(2022/3/22)
火力発電所復旧は「数週間から数カ月」当面綱渡りも

「現在停止している火力発電所の中には、設備損傷により(復旧に)数週間から数カ月程度を要するものがあると事業者から聞いている」。萩生田光一経済産業相は22日の参院予算委員会でこう述べた。経産省の21日夜の発表によると、16日深夜の地震の影響で停止が続く東日本の火力発電所は計6基あり、出力は計334万7千キロワットに上る。

日本は地震が多い国だということも、夏は電力消費が増えるということも、当たり前の事なのに、地震から3カ月経って、政府も東電もどこまで本気で対策してきたのでしょう?

選挙前で、原発推進派を喜ばせるための計画的ひっ迫ではないかと疑ってしまいます。

でも、原発では根本的な問題は解決しないと思います。
原発のような大型発電所が災害等で止まった場合、電力需給への影響はより大きくなるはずです。
ベースロード電源にしている原発が一気に止まったら、ブラックアウトのリスクもありそうです。
それに国防上も、原発は弱点になることがウクライナではっきりしました。

防災上も国防上も、分散型電源を至る所にばら撒く方が有利だと思うのですが、防衛費拡大派の方々も何も言わないのは不思議です。


資源エネルギー庁

東京電力のプレスリリースでは、今日(2022/6/27)の使用率ピーク時の供給力は5154万kW、広域ブロック予備率が3.7%ということなので、予備率があと2%あれば、ひっ迫注意報を出す必要はなくなります。

5154万kWの2%は103万kWです。
今日の注意報の時間帯(15~18時)の3時間分の電力量にすると、
103万kW×3時間=309万kWh
です。
309万kWhの蓄電池を用意して、夜中の需要が少ない時に充電しておけば、電力のひっ迫は回避できることになります。

去年アップルが発表したテスラの大規模蓄電池は240MWh(24万kWh)で、当時のレートで約55億円です。

(参考)
アップルが採用したテスラの大規模蓄電池


Megapack

単純計算ですが、アップルが採用した24万kWhの蓄電池を13箇所に設置すれば、合計312万kWhで、今日程度の電力ひっ迫は回避できそうです。

円安を考慮して24万kWh分が60億円だとすると、13箇所で780億円です。
日本のエネルギー安全保障を考えたら、これ位何とかなるのではないでしょうか?
できれば日本のメーカーにこれ位の値段で頑張ってほしいところですが。

政府がこれからやろうとしている「節電ポイント」は、参加した家庭に2000円分のポイントを支給するそうですが、
節電参加の家庭にポイント2000円分 政府が検討表明
仮に2000万世帯が参加したとすると、
2000円×2000万世帯=400億円
です。

安易なバラマキではなく、蓄電所に投資した方が、よっぽど有意義だと思うのですが。