中国のスパイ気球、大西洋上空で米空軍F22戦闘機が撃墜

全米で大騒動に発展した中国のスパイ気球は、サウスカロライナ州沖で撃墜されたようです。

ロイター(2023/2/5)
米軍、中国偵察気球を撃墜 戦闘機が東岸沖でミサイル


 
オースティン米国防長官は4日、米本土上空を飛行していた中国の偵察気球を東部サウスカロライナ州沖で撃墜したと発表した。今後、残骸から監視機器を回収するとみられる。
米軍高官によると、F22戦闘機が東岸沖約11キロの上空でミサイルを使用して撃墜した。州内3空港では発着便の飛行停止命令が一時出されたが、運航は午後に再開した。

NEW YORK POST (2023/2/4)
Chinese spy balloon shot down over Atlantic Ocean

大西洋上空で撃墜された中国の偵察気球


 
土曜日に2機の米空軍F-22戦闘機が米国の領空を通過していた中国の偵察気球を撃墜しました。最初に米国国境を越えてから8日と4,000マイル以上経過していました。

気球が大西洋の安全な距離に到達すると、F-22の1機がAIM-9Xミサイル1発で狙いを定めた、と軍の上級筋は述べた。
超音速、熱探知、空対空発射体は、午後2時39分、マートルビーチの海岸から約7マイル離れた地点で命中しました。

abcNEWS(2023/2/4)
Chinese balloon live updates: Balloon shot down, search for debris underway

気球が撃墜され、がれきの捜索が進行中

abcNEWS(2023/2/5)
Where the Chinese surveillance balloon was spotted before being shot down

撃墜される前に中国の監視気球が発見された場所

 
この中国スパイ気球騒動、中国政府の「民間の研究用」という発表に対して、アメリカ政府は「偵察を目的としたもの」と反論して、ブリンケン長官の訪中延期にまで発展しました。

TBS NEWS DIG (2023/2/3)
中国政府「気球は中国のもの」と認める 気象などの研究に使用 遺憾の意を表明「不可抗力でアメリカに侵入」

アメリカ上空で偵察気球が確認された問題で、中国政府は「この気球は中国から来ている」と認め、謝罪しました。
中国政府は、きのう、アメリカ上空を飛行していた偵察用の気球について、「中国の無人気球が不可抗力で誤ってアメリカ領空に侵入した」とする外務省報道官の声明を発表しました。
「民間のもので、気象などの科学研究に使用されている」、「偏西風の影響を受け制御不能になった」などと説明し、「アメリカに侵入したことに遺憾の意を表明する」としています。

毎日新聞(2023/2/4)
米政府、気球に偵察機器搭載との見方 中国の「民間」説明に反論

米国の領空内に中国の大型気球が侵入した問題で、米国防総省のライダー報道官は3日の記者会見で「中国による偵察を目的としたものであり、米領空への侵入は国際法違反だ」と指摘した。
気球本体にぶら下がっている部分に偵察用の機器が搭載されているとの見方を示し、中国外務省による「気象研究などが目的の民間の無人飛行船」との説明に反論した。

NHK NEWS WEB (2023/2/4)
米国務省 ブリンケン長官の訪中延期を発表 中国の気球飛行で

中国の気球が、アメリカ本土の上空を飛行していることが明らかになったことを受けて、アメリカのブリンケン国務長官は中国側に対し、「明確な主権の侵害だ」としたうえで、日本時間の4日に出発する予定だった中国への訪問を延期すると伝えました。

 
落下した気球の破片は、米海軍と沿岸警備隊が回収するそうですが、真相がどこまで解明され、明らかにされるのか、気になるところです。