マイナ保険証の登録システムも怪しい
こんな状態を放置したままマイナ保険証への強制移行を決めた政府とデジタル庁の責任は重大でしょう。
テレ朝news(2023/8/15)“ひも付けなし”40万人以上か…ポイント付与されても『マイナ保険証』使えず
Aさんは去年、マイナ保険証として利用申請を行い、マイナポイントももらっています。しかし、マイナポータルを見ても、自分の保険情報は出てきません。
そもそも、保険情報とマイナンバーのひも付けは2016年、マイナンバー制度開始の直後から始まりました。現在すでに“誰であってもマイナンバーと保険情報がひも付いている”のが前提となっています。
ひも付けを行ったAさんの健保組合の回答はこうでした。
健保組合の回答:「Aさんの情報とマイナンバーが一致せず、ひも付けできなかった可能性が高い。一度も登録された形跡はない」
健保組合は、Aさんの名前や住所などの情報をもとにマイナンバーを照会しましたが“完全に一致”する人物のマイナンバーを取得できなかったとしています。全国健康保険協会:「加入者のうち40万人はひも付けできていない」
厚労省は、こうした事態を認識しているものの、総数については把握できていないといいます。そのうえで…。
厚労省:「割合から考えたら、2倍の80万人ぐらいはいるかもしれない」
「マイナンバーが取得できなかった」という状態のまま、本人に確認する等の対応を取らずに、そのまま放置していた健保組合も問題だと思いますが、そんな状態でもマイナ保険証の利用申請を受け付けて、マイナポイントが取得できてしまうシステムはもっと問題だと思います。
本来、マイナ保険証の利用登録を行うと、マイナンバーカードのシリアル番号と保険証の被保険者番号がセットになって、オンライン資格確認等システムに登録されることになっています。
当然、事前にその人の保険の情報がシステム(中間サーバー等)に登録されている必要があります。
(医療機関・薬局)オンライン資格確認等システムの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書
ところが、今回の報道によると、Aさんの保険の情報がシステムに登録されていないにも関わらず、マイナ保険証の利用申請ができて、マイナポイントを取得できたようです。
ということは、Aさんがマイナ保険証の利用申請を行った時に、システム側で保険の情報を全くチェックしていないということでしょうか。
もしかして、無保険者でも、マイナンバーカードがあれば、マイナ保険証の利用申請ができて、マイナポイントがもらえるということ?
マイナ保険証の登録システムも、何だか怪しいです。
すでに公金受取口座の登録システムがかなり杜撰だということが分かっていますが、
(参考)公金受取口座の登録システムもボロボロ
マイナ保険証の登録システムもかなり杜撰になっている可能性があります。
そんな状態を放置したまま、巨額の予算を使ってマイナポイントをばら撒き、マイナ保険証への強制移行を決めた政府とデジタル庁の責任は極めて重大でしょう。
河野デジタル大臣は閣僚給与を3カ月分返納するそうですが、そんな程度で済む話でしょうか。
日本経済新聞(2023/8/15)河野デジタル相、閣僚給与3カ月分を返納 マイナ問題で
河野太郎デジタル相は15日の記者会見で、マイナンバーを巡るトラブルが相次いだ責任をとり自身の閣僚給与3カ月分を自主返納すると発表した。「担当大臣としてけじめをつけるべきだ」と語った。「引き続き職務に専念する」と述べ、辞任は否定した。
ちなみに、閣僚給与は146万6000円だそうですが、ボーナスなども入れると年間給与は3000万円位だそうです。
マイナンバーとマイナンバーカード、さらには政府のデジタル化に対する信用を失墜させた責任は極めて重大だと思います。
当然、岸田首相の任命責任も厳しく問われる必要があるでしょう・・
(この記事の続き)
マイナ保険証の登録システムも怪しい(その2)