インボイス制度で消費税滞納件数激増か?

来年の3月頃、慌てる事業者は少なくないかもしれません。

日本経済新聞(2023/9/11)
インボイス、課税事業者の申請95%に 8月末時点

財務省は11日、10月に始まるインボイス(適格請求書)制度で、納税義務のある課税事業者の申請が8月末時点でおよそ95%に達したと公表した。9割を超えた7月末からさらに導入が進んだ。納税義務のない免税事業者からの申請も伸びた。

免税事業者からの申請は推定103万件で、7月末の92万件から11万件増えた。免税事業者も登録されると納税義務が生じ、インボイスを発行できる。財務省は460万いる免税事業者のうち、新たに課税事業者になり得るのは160万と推計する。

8月末時点の免税事業者の申請件数が103万件ということは、インボイス制度が始まる10月1日には110万件以上になっている可能性があると思います。

ということは、新たに消費税の申告と納税をする事業者が110万者以上増えるということになります。

今までの課税事業者の数は300万者なので、一気に1.4倍近くになるということです。


財務省資料(R5/8/25)

 
課税事業者の数が増えると、滞納も増える可能性があります。

もともと消費税は、滞納が非常に多い税金です。


国税庁 令和4年度租税滞納状況の概要


令和3年度 国税滞納

消費税の滞納は金額も件数もかなり多いですが、特に気になったのは件数です。
令和3年度の新規発生滞納の件数は45万件もあります。

300万者の課税事業者に対して45万件ということは、6.7者に1件の割合で滞納しているということです。
消費税の額によっては分割納付があるので、1事業者が何件も滞納している可能性もありますが、それでもかなりの滞納率ではないでしょうか。

そこに今年から110万者以上の新規課税事業者が加わることになります。
滞納件数が激増する可能性があります。

日経BizGate(2023/2/22)
インボイス導入で滞納増える? 制度周知は課題だらけ

消費税は断トツで滞納が多い税で、令和3年度末には3500億円ぐらいになっていたと思います。消費税を手元に残さず、運転資金として使っている企業・経営者が多いからです。初めて消費税を払うとなると、数字の感覚はあっても実際に払う時まで頭から飛んでいるみたいなことがある。通常の運転資金の流れの中で消費税もぐるぐる回っていますから、いざ消費税の納税となると、今まで払っていなかった方は困ってしまうことがあると思いますし、払い忘れて延滞がつくと、あっという間に金額が膨らんでいく。

 
個人事業者の今年分の消費税の申告期限と納期限は来年4月1日です。


国税庁 申告・納付等の期限

よく分からないままインボイスの登録をしてしまった個人事業者は、来年の3月頃、結構慌てることになるかもしれません。