根拠も効果も不明の所得税4万円減税

増税イメージ払拭のための中途半端なやってる感アピールでしょうか?

読売新聞(2023/10/25)
定額で1人4万円の所得減税、納税者に加え扶養家族も対象…首相「早急に検討進める」

政府・与党は、岸田首相が意欲を示している税収増の還元策に関し、来年度に限り、所得税などを定額で1人あたり4万円減税するとともに、低所得世帯向けに1世帯あたり7万円程度を給付する案を軸に具体策の調整に入った。

FNNプライムオンライン(2023/10/24)
いつから?どうやって?「所得税減税」効果はあるの?

今回の「減税」は、経済対策として効果を発揮するのだろうか。
疑問符がつくのは、「即効性」だ。
税制改正は、年末に与党で内容が取りまとめられ、関連法案が年明けに国会に提出され、年度末に成立するのが通例だ。
また、会社員など給与所得者の場合、所得税は源泉徴収という形で納めていて、毎月の給料やボーナスから天引きされる仕組みとなっている。
給与所得者の減税は、この天引きされている税金から行われることになるが、企業が給与システムを改修するのに1~2カ月かかることも予想され、通例の流れで行けば、実際の減税は2024年の4月以降、夏のボーナス時期になる可能性もある。


 
さらに、もともと税金を払っていない「非課税世帯」には減税の恩恵が届かないという問題がある。
定額減税の場合は、税金を納めていたとしても、納税額の方が減税額より大きく、減税しきれない層が出てくることも想定される。
低所得者層向けには給付金での対応もあわせて検討される見通しだが、不公平が生じないよう、全体の制度をどう精緻に組み立てるかが、大きな課題だ。

夏のボーナスで導入しようとしているのでしょうか?
ボーナスのない会社員は年度の途中から源泉徴収の税額が減る?
源泉徴収でない自営業者は再来年の確定申告で対応する?
何だか、また面倒な制度になりそうです。

 
4万円の根拠も、住民税非課税世帯の7万円の根拠も良く分かりませんが、住民税非課税でない所得税4万円未満の人のことはどう考えているのでしょう?
所得税が4万円未満で、住民税非課税の条件に当てはまらない人は、それなりにいるのではないでしょうか。
給付の条件も所得税にすればいいと思うのですが、なぜ住民税なのでしょう?

 
野党は全部給付にすることを主張しているようですが、

テレ朝news(2023/10/25)
“4万円減税”に野党批判「給付を」 与党内からも疑問の声「全員に減税あり得ない」

立憲民主党 泉健太代表:「まず総理。『経済、経済、経済』と言うだけではなく、国民が望むのは、今年中のインフレ手当の『給付、給付、給付』じゃないですか」

その方がよほどシンプルで即効性もありそうです。

どうせやるなら、せっかく作ったマイナンバーの公金受取口座を使えばいいのではないでしょうか。

すでに6000万人以上の国民が登録しています。


マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード

緊急時の給付金、年金、児童手当、所得税の還付金等、幅広く支給事務に利用することができ、申請書への口座情報の記載や通帳の写しの添付等が不要になります。

登録済みの6000万人に対しては、即効性抜群のはずです。

システムの運用試験もできて一石二鳥ではないでしょうか・・