子育て支援金制度、導入されたら財務省の思うツボ
消費税の導入より悪質かもしれません。
産経新聞(2024/2/16)子育て支援金「実質負担ゼロ」 政府説明に与党からも疑念、国民の疑念払拭に至らず
政府が16日に閣議決定した子ども・子育て支援法等改正案には、少子化対策財源として公的医療保険料に上乗せして徴収する「支援金」制度の創設が盛り込まれた。
岸田文雄首相は「実質的な追加負担は生じない」と繰り返してきたが、その説明を疑問視する声は与党内にもあり、負担増に対する国民の疑念を払拭するには至っていない。
「歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で(制度を)構築していく。事実上の子育て増税だという指摘は当たらない」
ただ、賃上げまで当て込んで「実質負担ゼロ」とする説明を疑問視する向きは与党内にもある。公明党の高木陽介政調会長は14日の記者会見で「分かりにくい。国民理解がなかなか進まない要因の一つではないか」と指摘した。民間の試算はある。日本総研の西沢和彦理事によると、各医療保険制度別の被保険者1人当たり月平均負担額(労使合計)は、共済組合1637円▽組合健保1472円▽協会けんぽ1025円-になるという。また、後期高齢者医療制度では加入者1人当たり253円の負担が生じる。
賃金は上がらない人もいるので、あたかも全員が「賃上げによって実質的な負担は生じない」ように言うのは無理があります。
まあ、増税メガネは賃上げを行う大企業しか見えないメガネなのかもしれませんが。
たまたま見つけた記事ですが、消費税を導入した時の事が書かれています。
竹下内閣の3%の消費税導入時、当時は国民に内閣を倒す力あった
国が新たな税制をつくり、あるいは増税する時には3つの原則がある。(1)取りやすいところから取る、(2)小さく生んで大きく育てる、(3)臨時増税なのに恒久化する──である。
平成元年(1989年)4月に消費税が創設されたとき、時の竹下登首相も、「高齢化への対応」と「財政再建」を掲げ、「国民に広く浅く、公平に負担していただく」と述べていた。
大平内閣が1979年に打ち出した税率5%の「一般消費税」、次に中曽根内閣が税率5%の売上税法案を提出したが、いずれも批判を浴びて断念した。
竹下首相は税率を3%に引き下げたうえ、所得税、法人税、相続税の減税と抱き合わせて「増税ではありません」と消費税法を国会で成立させた消費税の税率は当初の3%から、橋本内閣で5%、安倍内閣では8%、さらに10%に引き上げられ、消費税収もいまや年20兆円を超える。平成の30年間に国民が負担した消費税の総額はざっと400兆円、国民に「広く浅く」負担を求める税から、「広く深く」取られる税になった。
「取りやすいところから取る」
「小さく生んで大きく育てる」
これらは子育て支援金制度にも当てはまりそうです。
「500円弱」の支援金創設が焦点 政府、少子化対策法案を閣議決定
「粗い試算で、2028年度は月平均500円弱と見込まれる」
「500円弱」に、SNS上では非難の声が殺到。危機感を抱いた政府は、14日に加藤鮎子こども政策担当相が「26年度は300円弱、27年度は400円弱」と説明したが、焼け石に水だった。
2026年度に1人あたり平均月300円弱から始めて、2028年度は平均500円弱だそうですが、2029年度以降の事は一切言っていません。
岸田首相の答弁も、制度を作る(構築する)時点の話です。
「歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で(制度を)構築していく。事実上の子育て増税だという指摘は当たらない」
我々が毎月徴収されている健康保険料は、知らないうちに、じわじわ値上げされていますが、その中に埋め込まれてしまう「子育て支援金」も、一緒にじわじわ上がっていく可能性が十分あると思います。
しかも、それは国の都合でどうにでもできそうです。
こども家庭庁の資料支援金制度は、充当対象事業にかかる費用の拠出のため、医療保険者(後期高齢者医療広域連合を含む。以下同じ。)に被保険者等から保険料とあわせてこども・子育て支援金を徴収していただき、国にこども・子育て支援納付金として納付することをお願いすることとする。
国が医療保険者にいくら請求するかは、国会の承認なしで政府が勝手に決めることができるのでしょうか?
そうだとしたら、消費税の導入より悪質かもしれません。
このまま導入されてしまったら、財務省の思うツボです。
ちょっと危険が気がします。
それにしても、マイナ保険証もそうですが、岸田政権になってから医療保険制度がどんどん改悪されていきます・・