子育て支援金、負担増を「実質負担ゼロ」にする手口

岸田サギ政権の手口です。

テレ朝news(2024/4/3)
少子化対策法案 子育て支援「負担なし」説明に…野党が批判


 

 
岸田総理
「支援金は歳出改革による保険料負担の軽減効果の範囲内で、構築することを基本とすることで、実質的な負担が生じないものです」

JIJI.COM(2024/4/20)
支援金、試算小出しに批判 政府は「実質負担ゼロ」強調―少子化対策


 
政府は歳出改革や賃上げにより、実質的な負担は生じないと繰り返し説明してきた。一方、野党は支援金によって現役世代の負担が膨らみ、少子化対策に逆行するとして反発。個人だけでなく事業者も拠出するため、賃上げを阻害しかねないとも指摘した。

 
負担が増えるものを、なぜ自信満々に「実質的な負担はない」と言えるのか、その手口は以下のようなことだそうです。

NHK政治マガジン(2024/3/29)
「子ども・子育て支援金」であなたの負担はどうなる?

保険料に上乗せする形で「支援金」を支払うのであれば、一人ひとりの負担額は増える可能性もある。
しかし、政府は一人ひとりの保険料の負担ではなく、個人や企業など国民全体の所得=国民所得に占める社会保険料の負担の割合、「社会保障負担率」を「実質的負担」の指標としている。


 
少子高齢化で今後も保険料負担は増えていくとみられるが、政府は、
1「分子」となる保険料の負担増を、医療・介護の歳出改革でできるだけ抑える
2「分母」となる国民所得を賃上げを進めて増やす
この方法で「社会保障負担率」の上昇をできるだけ抑え、抑えられた範囲内で「支援金」を拠出してもらうため「支援金」によっては「負担率」は上がらないというのだ。

国民全体をマクロ的に見た話ですが、子育て支援金の「実質的な負担はない」と言っているのは、「社会保障負担率は変わらない」ということです。

賃金が増えれば社会保険料も増えるので「負担額」は増えますが、「負担率」が変わらないから「負担増ではない」だそうです。

また、賃上げによる「負担額」の増加は、負担増とは見なさないそうです。

東洋経済ONLINE(2024/1/7)
子育て支援金「国民負担増加なし」のカラクリ

12月20日の大臣折衝で、賃上げ措置による社会保険の負担は負担増と見なさないと合意した。これは「見せかけ」の負担ゼロだという議論だ。

 
一方、保険料の負担を抑えるための「歳出改革」には、このような項目があります。


全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)の概要

単に作業の効率が上がって歳出が減るならいいですが、保険での対応を減らしたり、自己負担を増やすことで、保険の歳出を減らそうとしている項目が結構あります。

・薬剤保険給付の在り方の見直し
・サービス付き高齢者向け住宅等における介護サービス提供の適正化
・ケアマネジメントに関する給付の在り方、軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
・介護保険制度改革(利用者負担(2割負担)の範囲、多床室の室料負担)
・医療・介護保険における金融所得の勘案や金融資産等の取扱い
・医療・介護の3割負担(「現役並み所得」)の適切な判断基準設定等
・経済情勢に対応した患者負担等の見直し(高額療養費自己負担限度額の見直し/入院時の食費の基準の見直し)

これら以外にも、保険対応減・自己負担増はいろいろありそうです。

岸田サギ政権は、これらの「負担増」を「実質的な負担には含まない」としているようです。

NHK政治マガジン(2024/3/29)
「子ども・子育て支援金」であなたの負担はどうなる?

また、社会保障の歳出改革では、医療や介護サービスの窓口負担が増えたり、サービスが削られたりする可能性があるが、政府は保険料は増えず、社会保障負担率の増加にはつながらないことから、「実質的な負担」には含まないとしている。

東洋経済ONLINE(2024/1/7)
子育て支援金「国民負担増加なし」のカラクリ

「国民負担率」という概念があるが、これは、税および社会保険料の国民所得に対する比率として定義されている。自己負担はここには含まれないので、それがいくら増えても、国民負担率は変わらない。だから、保険料率を引き上げない限りは、岸田首相がいうとおり、国民負担の増加なしに少子化対策を実現できることになる。

 
以上を簡単にまとめると、このようになります。


 

子育て支援金に関しては、この他にも、健康保険の目的外利用だという話もあります。

毎日新聞(2024/4/18)
保険料上乗せは「隠蔽増税」 子育て支援で経済学者が撤回求める

労働経済学が専門の八代氏は毎日新聞の取材に対し、健康保険料に上乗せして徴収する手法について「疾病のリスクに備える社会保険の目的外利用です。これを許してしまえば今後も安易な支出が繰り返される危険性があります」と警鐘を鳴らす。

そのうち、防衛費も「国民の生命に関わるから」とか言って、健康保険料に上乗せしてくるかもしれません。

今後も自民党独裁サギ政府は、様々な手口で国民の負担を増やそうとするでしょう。

庶民の暮らしは厳しくなる一方です・・