円安ボロ儲け企業の利益は国民に再分配すべきではないか?
トヨタの業績が絶好調のようです。
朝日新聞(2024/5/8)空前のトヨタ決算、三つの要因 円安、HV販売、そして値上げ
トヨタ自動車の2024年3月期は、売上高45兆円、純利益4.9兆円と、空前の好決算となった。その背景には、三つの要因がある。円安、好調な販売、そして値上げだ。営業利益の押し上げ効果は、3兆円に及ぶ。
トヨタ(レクサスを含む)による23年度の海外販売は、877.9万台と全体の85%に上る。同社の場合、1円円安が進むと営業利益は500億円上ぶれする。23年度の平均為替レートは、前年度より10円円安の1ドル=145円。前年度と比べた円安による営業利益の押し上げ効果は6850億円にのぼった。
トヨタは1円の円安で利益が500億円増えるそうです。
2023年度は6850億円だそうです。
以前から思っていたのですが、円安差益は「不労所得」と言ってもいいのではないでしょうか。
円安ボロ儲け企業がある一方、円安で厳しい企業もあります。
「円安倒産」22カ月連続で発生 中小企業、価格転嫁追いつかず
長引く円安に関連した企業の倒産(負債額1000万円以上)が2022年7月から22カ月連続で続いていることが東京商工リサーチの調べで明らかになった。外国為替市場の対ドルの円相場は4月末に1ドル=160円台となるなど歴史的な円安水準が続いており、原材料を海外に依存する企業の経営をじわりじわりと圧迫している。
外食産業も厳しいようです。
日刊ゲンダイ(2024/5/9)円安地獄でステーキ店の倒産が過去最多…安くて美味い牛肉が食べられる時代は終わった
帝国データバンクによると、昨年度に判明したステーキ店の倒産は10件で、前年度の5倍にのぼり過去最多となった。背景には、輸入牛肉の仕入れ価格上昇と、円安の影響がある。
ハンバーガーも牛丼も、ボリュームのある肉を手頃な値段で楽しめることで、幅広く浸透した。しかし、こう値上げが続くと、いずれ「ぜいたく」となるのは時間の問題だ。
「牛肉を安く食べられるビジネスモデルは成立しなくなってきている」
国民の実質賃金は前年比マイナスが続いています。
実質賃金3月2.5%減 24カ月連続マイナス、過去最長
厚生労働省が9日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、1人当たりの賃金は物価変動を考慮した実質で前年同月比2.5%減だった。減少は24カ月連続で過去最長だった。給与総額は伸びているものの、物価高に追いつかない状態が続いている。
円安にはメリットとデメリットの両面があるというのは、最近よく言われるようになりましたが、それなら、メリットを受けて大儲けしているところからデメリットで苦しんでいる所に、富を再分配すればいいと思います。
「トリクルダウン」が自然には起きないことは、アベノミクスで証明済みです。
東京新聞(2023/3/14)「賃金上がらず予想外」アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…「望ましくない方向」
三井住友DSアセットマネジメント大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)は本紙のインタビューで、10年に及ぶ政策の効果について「賃金が上がらなかったのは予想外。私は上がると漠然と思っていたし、安倍首相(当時)も同じだと思う」と証言した。大企業の収益改善を賃上げへとつなげる「トリクルダウン」を起こせなかったことを認めた。
トリクルダウン理論
富が富裕層から低所得層に徐々に滴り落ちるとする理論。「トリクルダウン仮説」と呼ばれることもあります。大企業や高所得者が富むような経済政策を実施すれば、投資や消費が活発になり、より広い層にも恩恵が及ぶとする考え方です。しかし、富が富裕層に偏在するだけで、経済格差を拡大させかねないとの批判もあります。
岸田政権の「新しい資本主義」の「分配」はどうなったのでしょう?
膨らむ消費税収、再分配機能は低下 借金頼みで広がる「ワニの口」
再分配機能は税の重要な役割の一つで、所得の高い人ほど税負担が重くなる「累進性」を持たせることなどで格差を小さくする効果がある。
岸田政権も、肝いりの「新しい資本主義」の中で「分配」を強調しているが、税収の内訳をみると、その機能は低下傾向にある。
ちなみに、輸出でボロ儲けしている大企業には、莫大な消費税の還付(輸出戻し税と言われている)もあるようです。
政府は「円安差益税」でも導入して、富の再分配をして、円安格差を是正すべきだと思うのですが、、、
2022年政治資金収支報告書 自民と財界、続く互助関係 24億円超、2年連続増
自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)への2022年分の企業・団体献金は24億5000万円に上った。21年比0・8%増で、増加は2年連続。ロシアのウクライナ侵攻に伴う物価高騰が国民生活を直撃し、賃上げを求める声が高まる中、財界は自民への献金を維持し、政府、自民党は財界の求める政策を実現した。両者の「互助関係」は続いている。
まあ、自民党政権には無理かもしれません・・