新型コロナのPCR検査、感染研がヤリ玉に上がっているが・・・
PCR検査の拡大を感染研OBが妨害していた・・・という話題が盛り上がっているようですが、
その辺の事情と思われる話が日経バイオテクに出ていました。
日経バイオテクONLINE (2020/2/28)
新型コロナウイルス、検査体制の拡充が後手に回った裏事情
簡単に言うと、
感染研はPCR検査を自前のやり方にこだわっていたために、検査数を増やすことができなかった。
ということだと思います。
感染研は1月28日から全国の地方衛生研究所でPCR検査を実施できる体制を整え始めましたが、とても大規模検査ができるものではなく、2月12日時点のキャパは1日最大300件程度でした。
一方、スイスのRoche社は1月末から大規模な検査が可能な試薬を供給していました。
感染研が1月末からRoche社の試薬を採用していれば、2月上旬の時点でもっと検査キャパが増えていたはずで、おそらく、これが「PCR検査の拡大を感染研OBが妨害していた」ということだと思います。
ちなみに、中国や韓国はRoche社の試薬を使用しているようです。
ただし、その後、2月13日に感染研はマニュアルを改定してRoche社の試薬も使えるようにしました。
それでも、国会答弁でもあったように、検査数は1日平均900件程度しかできていません。
最初の立ち上がりが遅れたのは感染研OBのせいかもしれませんが、2月末になっても検査数が増えていない理由は、ちょっと違うような気がします。
やはり、検査数が増えないのは、政府が増えないようにしているからではないでしょうか。
この条件とフローがある以上、誰でも検査できるようにはなりません。
新型コロナウイルス感染症に関する行政検査について
新型コロナ帰国者・接触者相談センターへの相談フロー
新型コロナのPCR検査が保険適用になることが決まりましたが、問題はこのフローが撤廃されるかどうかだと思います。
保険適用になっても、帰国者・接触者XXの選別がそのまま残ってしまったら、費用の出どころが変わるだけです。
町のクリニックなど一般の医療機関で検体を採取して、直接検査機関に送って検査できるようにならないと意味がありません。
新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制についてのQ&A
の(問2)の答に次のように書かれていますが、
新型コロナウイルス感染が、仮に地域全体にまん延した場合には、「帰国者・接触者外来」を中止し、原則全ての一般の医療機関において、新型コロナウイルス感染症の診療を行う体制に移行します。
なぜ、地域全体にまん延してからでないと、できないのでしょう?