新型コロナで保健所がパンク 東京のデータは信用できるのか?
東京の保健所は人員不足で機能不全になりつつあるようです。
朝日新聞デジタル(2020/4/6)
「保健所のパンク」で検査ができない? 進まぬ人員強化
新型コロナウイルスの感染者が東京都内で千人を超え、感染経路の解明などの役割を担う保健所の人員不足が浮き彫りになっている。保健所を運営する自治体に対し、厚生労働省は態勢強化を急ぐよう求めるが、対応は後手に回る。今後、全国各地で感染者が急増した場合、保健所の機能不全が大きな壁になりかねない。
PCR検査をめぐっても、医師が必要と判断しながら保健所が認めず、検査できなかった例が相次ぐが、厚労省幹部は「実施件数が伸びない要因の一つは保健所の人員不足もある」と認める。政府関係者は「東京の検査数が伸びないのは、保健所がパンクしているからだ」と言い切る。
新型コロナの感染者の急増で病院の機能不全が指摘されていますが、保健所もかなり厳しい状況になっているようです。
保健所は新型コロナ感染症の最初の相談窓口であると同時に、PCR検査の紹介から感染経路の調査まで行っています。
その保健所が機能不全になってしまうと、必要なPCR検査ができなくなるだけでなく、感染状況の把握も困難になってしまう可能性があります。
東京都は新型コロナの感染者数などを都内の最新感染動向 で公表していますが、それらのデータの信頼性にも影響しそうです。
まず、検査実施人数は2日前のデータまでしか出ていません。
更新が追いついていないようです。
4/4と4/5の検査実施人数がどちらも60人位しかありません。
土日は少ししか検査できないという話もありますが、前の週は200人以上行われています。
連日80人以上の陽性患者数が公表されている状況で、60人しか検査が行われていないとすると、意図的に絞っているか、手が回っていないかのどちらかではないでしょうか。
また、検査実施人数は4/2に469人、4/3に551人ですが、その結果は4/3日以降にバラバラと分散して出していると思われます。
4/4と4/5は検査数より陽性患者数の方が多くなっています。
検査の結果を一度に出すと人数が多くなるから意図的に分散しているのか、それとも作業が追いついていないのか。
いずれにしても、そんな状況では、陽性患者数のデータが実態を正確に表さなくなってしまいます。
オーバーシュートの立ち上がりなど、変化を早く察知することが困難になると思います。
今後のピークや収束の把握は正しくできるのでしょうか?
保健所がPCR検査のボトルネックになっている事は以前から指摘されていましたが、何も改善されていないようです。
政府も東京都も公表されている陽性患者数のデータを見て様々な施策を行っていると思われますが、そのデータの源泉が機能不全に陥っていると、全てが信用できなくなってしまいます。
東京の陽性患者数のデータは、保健所の日々の処理能力によって増減していて、実際の感染の状況ではないような気がします。