すでに東京は危険地帯-PCR検査を絞ってきたツケ
「PCR検査を増やすと医療が崩壊する」といってPCR検査を増やさなかったことが裏目に出て、医療崩壊が始まりつつあるようです。
NHK NEWS WEB (2020/4/15)
都内で救急搬送の受け入れを複数病院で拒否979件
新型コロナウイルスの感染拡大が始まった先月、都内で救急搬送の受け入れを複数の病院から断られるなどしたケースは979件に上り、去年より300件近く増えていたことが東京消防庁への取材でわかりました。
また、今月10日までのおよそ3か月間に救急搬送した患者が、新型コロナウイルスの陽性または陽性の疑いと確認されたのは295件に上りました。
東京都医師会の猪口正孝副会長は「新型コロナウイルスに感染した疑いがある患者が搬送されてきた際、受け入れられない病院が多くなっている。院内感染を防ぐための対応が難しいなどの事情があるとみられ、受け入れ態勢の確保が急務だ」と指摘しています。
テレ朝news (2020/4/14)
感染疑いで“たらい回し” 搬送に6時間のケースも
東京消防庁の関係者などによりますと、9日正午すぎ、東京・中央区で発熱を訴える40代の男性について救急隊が病院に搬送しようとしました。しかし、新型コロナウイルスに感染している疑いがあるなどの理由で約40の病院から受け入れを断られ、搬送先が決まるまで1時間半ほどかかったということです。こうしたケースは都内で複数報告されていて、夜間の搬送に6時間余りかかった事案もありました。
すでに東京は救急患者のたらい回しが常態化していると思った方がよさそうです。
特に発熱や肺炎の場合は、新型コロナの「感染の疑いあり」ということで、受け入れてくれる病院がなかなか見つからないようです。
このような例が増えているということは、すでに街中に「隠れコロナ」の人がかなり増えているということだと思います。
PCR検査を受けられず、自宅などで療養している間に重症化した人が増えている可能性もあります。
東京は救急車を呼んでも治療を受けられない所になってしまったのでしょうか。
東京の医療提供状況を見ると、現在このようになっています。
制限ありの病院(黄色のアイコン)が結構増えています。
4分の1の病院が外来を制限しています。
2割の病院が入院や救急を制限しています。
この地図に出てくるのは20床以上の入院病床がある病院なので、ある程度以上の大きい病院です。
それがこれだけ制限しているのは、かなりひっ迫している状況を感じます。
朝日新聞デジタル(2020/4/14)
院内感染、救急や外来に痛手も 東京都医師会も懸念
医療機関において感染者が判明した場合、一緒に働いていた多くのスタッフが「濃厚接触者」として離脱せざるをえない。永寿総合病院は3月25日から外来を中止。同病院は感染が疑われる患者を保健所からの紹介で診察する「帰国者・接触者外来」を開設していたが、それも停止した。
都内の医療関係者によると、台東区内の医療機関で受け付けるPCR検査の件数が落ち込み、隣接する墨田区の医療機関に回るなど、影響は周辺の自治体に広がっているという。
最近、東京のPCR検査の実施件数が減少しています。
相談件数は上昇傾向を続けているにも関わらず、検査の実施件数が急低下しています。
保健所がパンクしているという話はありますが、それに加えて検査する病院の外来が止まって件数が落ちているということもあるのでしょうか。
そうだとすると、ますます東京の日々の陽性患者数のデータが形だけのものになってしまいます。
このグラフを見て、「まだオーバーシュートしてない」などと言うのはナンセンスです。
すでに東京にはかなりの新型コロナ感染者が潜伏していると思われます。
もうオーバーシュートしているかもしれません。
救急車を呼んでも病院に行けない可能性もあります。
東京は危険地帯になってしまいました。