新型コロナ再拡大は「東京問題」

新型コロナの再拡大が止まりませんが、政府も東京の問題だと公式に認めたということでしょうか。

毎日新聞(2020/7/11)
都にチクリ? 菅官房長官、コロナ再拡大は「東京問題」

菅義偉官房長官は11日、北海道千歳市内で講演し、新型コロナウイルスの感染再拡大について「この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではない。東京中心の問題になってきている」と述べた。

数日前に兵庫県知事が「東京は諸悪の根源」と発言して取り消したようですが、取り消す必要はなかったかもしれません。

いずれにせよ、東京の感染拡大が止まらない限り、日本の感染拡大は止まらないのではないでしょうか。

東京は現在、第2波の真っ最中だと思います。
(巷では「第2波」と言いたくない人がいるようですが・・)


 
「PCRの検査数が増えたから陽性者が増えた」と言っている政治家がいますが、そうであれば、陽性率の上昇についても説明すべきです。


都内の最新感染動向

「検査数が増えたから」だけでは説明不十分です。
 

また東京都は、いわゆる「夜の街」を中心に積極的にPCR検査をしたことによって、若者の感染者が増えていると説明しています。

東京都は毎日、東京都防災ホームページ で、年代別の感染者数のデータを公開しています。

年代を3つに分けて、7日間の移動平均にするとこうなります。


 
現在は約5割が20代以下で、60代以上は5%ほど、残りが30~50代の働き盛りの人です。

30~50代の中には、夜の街の関係者が含まれていると思われますが、関係ない人も結構いるのではないでしょうか。

この年代は社会経済活動でも、家庭内でも、感染を拡大させる可能性が非常に高いと思います。
また、20代と比較して症状が重くなる可能性は高まると思われます。


 
60代以上は重症者の増加に直結するので要注意ですが、徐々に増えつつある状況です。


 
東京の場合は、30代以上の感染者数に要注意だと思います。

30代以上の感染者数のグラフに入院者数のグラフを重ねるとこのようになります。
(入院者数は年代別が公表されていないので、全年齢のグラフです)


 
4月の第1波の時は、PCR検査で陽性になった人は全員入院することになっていたので、感染者の累計と入院者数が一緒に上昇していました。
(このグラフの入院者数は20代以下も含まれているので、その分ズレがあります)
この時は、感染者数の増加に病院が対応できなくなって、医療崩壊寸前の状況になってしまったようです。

今は、PCR検査で陽性になっても入院治療の必要がなければ、宿泊施設や自宅で療養することが可能なので、入院者数は感染者の累計よりもゆっくり上昇するはずです。

上のグラフでは分かりにくいので、第2波の部分だけをグラフにしました。

新規の感染者数が最小になった翌日の5月24日を第2波の始まりにしています。
入院者数は最小になった6月20日を0にしています。

このグラフを見ると、第2波の入院者数(青線)は、感染者累計の大体3~4週間遅れて上昇していることが分かります。

現在、第2波の30代以上の感染者の累計は1300人ほどですが、今のペースで増加が続くと、3~4週間後には入院者数もそれ位の人数になる可能性がありそうです。

ちなみに、4月7日に緊急事態宣言を行った時の入院者数は、約1100人でした。

政府や東京都は、第2波に向けて「医療提供体制を拡充する」と言ってはいましたが、はたしてどれだけ拡充できているのでしょう?
防護服やN95マスクは今でも不足しているという話もあります。

積極的なPCR検査とか感染防止対策の徹底とか、いろいろ言っても、30代以上の感染者数の増加が止まらない限り、病院の体制はひっ迫していくことになると思います。

もう夜の街のピンポイント攻撃では、間に合わないような気もします。

4月の二の舞にならなければいいのですが。