安物のパルスオキシメーターは使い物になるのか?
ネット販売サイトでは安いパルスオキシメーターが大量に販売されていますが、はたして使い物になるのでしょうか。
本来、パルスオキシメーターは薬事法(医薬品医療機器等法)で規定されている医療機器で、価格もそれなりにするもののようです。
(参考)コニカミノルタ「パルスオキシメーターに関する法規・規格」
東京都の自宅療養者向けにも使用されているPULSOX-Neoをネットで検索すると、大体3~5万円程度で販売されているようです。
ところが、ネット通販サイトなどでは、2000~3000円程度のパルスオキシメーターが大量に販売されています。
さすがにコニカミノルタ製のような品質や性能は期待できないとしても、実用上それなりに使えるものなのか、それとも全く使い物にならないのか、サイトを見ただけではなかなか判断が難しいです。
購入者のレビューがいろいろ書かれていますが、はたしてどこまでアテにできるのか・・
もし、「パルスオキシメーター」と明記しているのに全く使い物にならなかったら、それは消費者庁の出番だと思います。
消費者庁は調べているのでしょうか?
それはそれとして、、
とりあえず、安物パルスオキシメーターを1つ入手してみました。
通販サイトで約3000円(税込、送料込)でした。
販売会社は日本の国内のようですが、中国から航空便で直送されてきました。
送料も考えると、いったい原価はいくらなのでしょう?
一番気になるのは、ちゃんとパルスオキシメーターとして使い物になるかどうかです。
早速電池を入れて、指を入れて、血中酸素飽和度(SpO2)を測定してみました。
健康な人の標準値は96~99%なので、とりあえずその値を表示していますが、これだけでは正しく計測しているかは分かりません。
しばらく息を止めてみましたが、98~100%の表示です。
マスクをして階段の上り下りをしても、特に値が下がる様子はありません。
指の位置を少し動かすと、たまに97になったりしますが、その後すぐ98以上になってしまいます。
もしかして、この商品は適当に97以上を表示させているだけなのでは??
と思い始めたのですが・・・
そもそも、パルスオキシメーターはこのような仕組みになっています。
赤色光と赤外線を指にあてて、それぞれの透過量の比率から酸素飽和度を算出する仕組みです。
・酸素と結びついたヘモグロビンは赤い色なので、赤色光があまり吸収されない。
・酸素を離したヘモグロビンは黒っぽい色になるので、赤色光が吸収される。
・赤外線は酸素の量が多くても少なくても、あまり変わらず透過する。
ということなので、指先の血行を悪くして黒っぽくすれば、酸素飽和度の値が下がりそうです。
ほとんど素人考えですが・・
試しに、やってみました。
この指で酸素飽和度を計測してみると、
ついに95%まで下がりました。
あまりきつく縛ると脈がなくなって計測不能になるので、脈がなくならない程度に縛る必要がありますが、最大で91%まで下げることができました。
こんなやり方でいいのか分かりませんが、一応このパルスオキシメーターは血液の色に応じて値を表示しているようです。
とりあえず、安物でも「全く使い物にならないモノ」ではなさそうな気がします。
精度はわかりませんが、実際に血中の酸素飽和度が明らかに低くなったら、標準より低い値を表示してくれそうです。
この安物パルスオキシメーター、お守りとして、大切に持っておこうと思います。
(注意)
ここに書いた事をマネして何か大変な事になっても、当方は一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。