接触確認アプリCOCOAの致命的不具合を放置。政府はやる気あるのか?
アプリをちゃんと使おうと思っていたら、こんな事にはならないと思いますが・・
東京新聞(2021/2/3)
接触確認アプリCOCOAのAndroid版、4カ月通知されず 田村厚労相が陳謝
田村憲久厚生労働相は3日記者会見し、新型コロナウイルス対策のスマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」について、利用者の約3割に当たるアンドロイド版で昨年9月28日以降、陽性者との接触通知が届かない不具合があったと明らかにした。
この不具合は2020/9/28のバージョンアップ以降、Androidの全端末で発生していたそうです。
接触通知が届かないというCOCOAの極めて基本的な機能の不具合だと思いますが、なぜ4カ月も放置してしまったのでしょう?
問い合わせは何件もあったのではないでしょうか。
9/28以降のダウンロード数はiOSとAndroidを合わせて700万位で、Androidは約3割ということなので、200万台の端末が不具合を抱えた状態になっていると推測されます。
SNSでは濃厚接触者なのに通知が来ないという書き込みがいくつもあったようなので、再現性が低い不具合でもなさそうです。
そんな不具合を4カ月も放置するとは、政府は本気でCOCOAを使う気はあるのでしょうか。
COCOAの導入効果の検証もできていないようです。
J-CASTニュース(2021/1/22)
菅首相、「COCOA」による陽性判明数は「把握できていない」 登録陽性者も全体の2.6%に過ぎず
2020年6月に配布が始まった新型コロナウイルス対策のための接触確認アプリ「COCOA(ココア)」で陽性が確認された件数が「現時点で把握できていない」ことが、21年1月21日の菅義偉首相の衆院本会議での答弁で明らかになった。
感染拡大を反映する形で、COCOAに登録されている新型コロナ陽性者の数は、1か月ほどで急増。ただ、登録している陽性者の割合は、陽性者全体の2.6%に過ぎない。菅氏は「感染拡大防止という、アプリの効果を高めていく」としているが、その「アプリの効果」を政府として具体的な数字で説明できない状態に陥っている。
COCOAは典型的な「やってる感」になってますね・・
陽性者の登録が少ないのは、今のやり方だったら当たり前だと思います。
強制力もインセンティブもないので、よほどその気がある人でないと登録しないでしょう。
一説によると、政府(厚労省)は、あえてCOCOAが活用されないようにしているという噂もあるようですが・・
今回の不具合も、PCR検査の人数を増やさないために意図的に放置したとか・・
そもそも、保健所の積極的疫学調査の濃厚接触者の対象をかなり限定しているのも、検査を絞る意図が伺えます。
(参考)退院基準及び濃厚接触者に対する検査等の見直しについて
「陽性確定に係る検体採取日」の2日前からを感染可能期間として入院等されるまでの期間に接触した者を濃厚接触者とする。
「発症日の2日前から」はまだ理解できますが、「検体採取日の2日前から」でいいのでしょうか。
発症日前後が一番感染力が高いことが言われていますが、これでは取りこぼしが発生する可能性があると思われます。(無症状で発症日が不明だからといって、検体採取日を感染力ピークの日にしてしまうのは無理がある)
COCOAも同様に、2020/12/15公開のバージョン1.2.1
で通知の条件が変更されています。
変更前:陽性登録から遡って14日間の接触の可能性を通知
変更後:発症日または検査日の約2日前以降の接触の可能性を通知
政治家がいくらPCR検査を増やす増やすと言っても、結局は役人が増やしたくないようです。
そこが変わらない限り、COCOAが本格的に活用されることはないかもしれません。