「まん延防止等重点措置」で水際対策はどうするのか?
政府は「緊急事態宣言」を解除して「まん延防止等重点措置」にしたいようですが、何が違うのでしょう?
ロイター(2021/2/3)
まん延防止等重点措置、緊急事態解除後の適用も=加藤官房長官
加藤勝信官房長官は3日午後の会見で、同日中に成立が見込まれる新型コロナウイルス対策を目的にした特別措置法の改正案に盛り込まれている「まん延防止等重点措置」について、緊急事態宣言の発令の前段階だけでなく、解除後の状況での適用もあり得るとの見解を示した。
特措法改正案に盛り込まれている同重点措置は、首相が期間・区域を公示し、該当する都道府県知事が対象となる事業者に対し、営業時間の変更などを「要請」。正当な理由なく応じない場合には「命令」を発令でき、違反対象には過料を科すと規定されている。
上の図では「施設の使用制限」が「営業時間の変更など」になっていますが、営業時間の短縮要請は緊急事態宣言中の今でも行われているので、違いが良く分かりません。
過料の違いだけのようにも思えてしまいます。
NHK NEWS WEB(2021/1/29)
コロナ「まん延防止等重点措置」要件“感染拡大や医療に支障”
29日国会で審議入りした、新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正案をめぐり、政府は、緊急事態宣言が出される前でも、対策を集中的に講じられるよう「まん延防止等重点措置」を新たに設けるとしており、要件は政令で定めるとしています。
例によって「要件は政令で定める」です。
後でどうにでもできてしまう便利な法律がまた1つ増えました・・
また、都道府県知事が要請できることとして、営業時間の変更に加え入場者の整理や発熱などの症状がある人の入場の禁止、それに従業員に検査を受けるよう勧奨することなどを政令で定めることを想定していると明らかにしました。
いろいろ細かい事を言っていますが、要するに「緊急事態宣言」をなるべく出したくないということでしょうか。
アナウンス効果を2段階にするのが目的?
気になるのは、緊急事態宣言を解除して「まん延防止等重点措置」にした時に、水際対策をどうするかです。
新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について令和3年1月8日の決定に基づき、検疫が強化されたところ、現在の検疫措置は下記のとおりとなっております。
(1)緊急事態宣言期間における検疫の強化
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言発出に伴い、同解除宣言が発せられるまでの間、入国拒否対象国・地域からの渡航か否か、また、ビジネストラック及びレジデンストラックの利用か否かを問わず、日本人も含め全ての入国者・再入国者・帰国者に対し、出国前72時間以内に実施したCOVID-19に関する検査による「陰性」であることの検査証明の提出を求めるとともに、入国時の検査を実施します。その上で、引き続き、検疫所長の指定する場所(自宅等)で14日間待機し、国内において公共交通機関を使用しないことが要請されています(変異株流行国及び変異ウイルスの感染者が確認された国・地域からの渡航の場合は下記(2)をご確認ください)。
「まん延防止等重点措置」に移行したら、この強化策はどうするのでしょう?
昨日も変異株のニュースがありました。
カナロコ(2021/2/4)
南ア変異株、50代と10代の男女感染 県内で初確認
厚生労働省は4日、南アフリカで報告された新型コロナウイルスの変異株に県内の50代女性と10代男性が感染したと発表した。変異株が県内で確認されたのは初めて。50代女性はアフリカに滞在歴があり、10代男性は学齢期で、女性の濃厚接触者だった。
厚労省や県によると、女性は帰国時の成田空港での検査では陰性だったが、自宅待機中の1月中旬に発熱などの症状が出た。医療機関で陽性と確認され、渡航歴があったことから国立感染症研究所で検体を調べたところ、変異株と判明。2人とも不特定多数との接触はなく、県は感染の面的な広がりはないとしている。
例によって、今は「面的な広がりはない」そうですが。
水際対策を緩めれば、海外由来のウイルスが日本に持ち込まれる確率が上がって、市中で広がる確率も上がることになります。