アメリカでイベルメクチンの処方数が急増している

いくら製薬業界や保健当局が抵抗しても、需要が急増している証拠だと思います。

BUSINESS INSIDER (2021/9/2)
イベルメクチンの処方数が24倍に…米CDC、コロナ治療目的の使用に注意喚起

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として根拠なく推奨されている経口駆虫薬イベルメクチンの処方数が、2021年8月にはパンデミック前の水準と比較して24倍以上になったという。

CDCのレポートはこれです。
Rapid Increase in Ivermectin Prescriptions and Reports of Severe Illness Associated with Use of Products Containing Ivermectin to Prevent or Treat COVID-19

COVID-19を予防または治療するためのイベルメクチンを含む製品の使用に関連するイベルメクチン処方の急速な増加と重篤な病気の報告

COVID-19パンデミック中の米国の外来小売薬局からのイベルメクチン調剤の傾向を調べた最近の研究では、パンデミック前のベースライン(2019年3月16日から2020年3月13日)での週平均3,600処方からの増加が示されました。
2021年1月8日に終了する週に39,000処方に達しました。
2021年7月初旬以降、外来患者のイベルメクチン調剤は再び急速に増加し始め、2021年8月13日に終了する週に88,000以上の処方に達しました。

データはIQVIA National Prescription Audit Weekly(NPA Weekly)データベースからのものです。NPA Weeklyは、米国の小売薬局約48,900のサンプルからデータを収集します。これは、すべての小売処方活動の92%に相当します。通信販売および介護薬局によって調剤されたイベルメクチン、獣医による処方箋、および非経口製剤は含まれていません。


 

全米の毒物管理センターによると、パンデミック前のベースラインと比較して、2021年1月にイベルメクチンのヒトへの曝露に関する通報が3倍に増加しました。
2021年7月、イベルメクチンの通報は急激に増加し続け、ベースラインから5倍に増加しました。これらの通報は、副作用や救急科/病院への訪問の頻度の増加にも関連しています。

CDCはとにかくイベルメクチンのリスクを強調したいようですが・・

全米毒物管理センター(American Association of Poison Control Centers)のサイトでは、イベルメクチンによる通報(副作用の症例数)のデータが公開されています。

AMERICAN ASSOCIATION OF POISON CONTROL CENTERS
National Poison Data System (NPDS) Bulletin COVID-19 (Ivermectin)


8月の処方数の増加に少し遅れるタイミングで、このセンターへの通報も増加しているようです。
ただし、大部分は軽症と思われます。
比較的重い症状と思われる"Major effect"は、全体の1%です。

月別の件数は以下のようになっています。


 
今年8月の毒物管理センターの通報数は、パンデミック前(2019年)の10倍位です。
8月13日の週のイベルメクチンの処方数はパンデミック前の24倍なので、処方数に対する通報の発生率は、パンデミック前より明らかに減っていることになります。

今年の処方数の急増は、ほとんどがCOVID-19の予防か治療が目的と思われます。
このデータによって、COVID-19でイベルメクチンを使っても、リスクは上昇しないことが明確になったと言えるのではないでしょうか。

しかも、この通報の多くは、おそらく動物用とか過剰投与等の不適切な服用の可能性があると思います。

CDCはイベルメクチンのリスクを過剰に煽っていると思われます。

 
ところで、このイベルメクチンの処方数急増によって、アメリカの新型コロナの感染者数がどうなるかは気になります。

最近の全米のCOVID-19感染者数と入院者数はこのようになっています。


CDC COVID Data Tracker

9月1日までのデータで、茶色線が新規感染者数の7日平均、黄色線が新規入院者数の7日平均です。

感染者数はまだピークアウトしていませんが、入院者数の7日平均は8月26日がピークで、ここ数日減少しています。

NATIONAL GEOGRAPHIC (2021/9/3)
The shaky science behind ivermectin as a COVID-19 cure

フロリダ、ミシシッピ、テキサスを含むいくつかの州の毒物管理センターは、イベルメクチンの誤用と過剰摂取に関連する通報と症例の最近の急増を報告しました。

毒物管理センターへの通報が急増した3つの州は、イベルメクチンが多く使われるようになった可能性があります。

フロリダ州

ミシシッピ州

テキサス州

CDC COVID Data Tracker

3つの州とも、全米より早くピークアウトした可能性があります。

これがイベルメクチンの効果かどうかは、現時点では何とも言えませんが、今後の動向を気にしたいと思います。