新型コロナ、第6波がやってくる?

まだ第5波は終わっていないと思いますが、第6波に関するニュースが報道されるようになってきました。

産経新聞(2021/9/15)
田村厚労相、第6波の可能性に言及 尾身氏「戦いあと2、3年」

田村憲久厚生労働相は15日午前の衆院厚労委員会で、新型コロナウイルスの感染拡大について「第6波を見据えながら対応しなければならならない」と強調した。

政府は第6波をどう対応しようとしているのでしょう?
すでに5回の波を経験しているので、そろそろ上手くやってもらいたいものですが・・

 
以下は、日本の感染者数の7日平均のグラフに、5回の波のピークの日付を入れたものです。


Our World in Data

このグラフを眺めていると、何となく、法則のようなものがありそうな気がします。

東京のグラフで順番に見てみます。


NewsDigest

第1波は、おそらく3月に入って間もなく、感染が広がり始めたと思われます。
3月は年度末なので、社会経済活動が盛り上がる時期です。
送別会などの会食も増える時期だと思います。

4/17がピークなので、4月に入ってからは社会経済活動が大幅に減少したと思われます。
3月末頃の小池都知事のメッセージ効果なども考えられます。
4月から5月の連休まで、緊急事態宣言によってかなりの社会経済活動が止まったことで、5月の中旬には新規感染者数が1桁にまで減少しています。

次は第2波です。


NewsDigest

5/25に緊急事態宣言が解除されて、社会経済活動が復活してきたことにより、感染者数が増えていきました。

第2波は8月の上旬がピークなので、7月の下旬頃まで社会経済活動が活発に行われていたと思われます。
7月は夏休みとお盆の前なので、社会経済活動が活発になる時期だと思います。
8月は「我慢の夏休み」の影響もあって、社会経済活動が減少して、感染者数も減少したと思われます。

次は第3波です。


NewsDigest

我慢の夏休みが終わって、新規感染者数が200人前後の状態が10月末頃まで続き、11月以降は増加しています。
これは、10月になって社会経済活動が活発になってきたのと、GoToトラベルの東京追加とGoToイートの影響の可能性があります。
そして12月になって、さらに社会経済活動が盛り上がって、爆発的な感染拡大に繋がったと思われます。

1/7に緊急事態宣言が発出されましたが、その時がピークなので、年明け早々から社会経済活動が減少したと思われます。

次は第4波です。


NewsDigest

第3波の後、3/1に新規感染者数が最小になって、その後徐々に増加しています。
緊急事態宣言が解除された後は、年度初めの社会経済活動の盛り上がりも加わって、一段と感染者数が増えたと思われます。

5/8がピークなので、4月下旬以降、社会経済活動が減少したと思われます。
緊急事態宣言の影響もあるかもしれませんが、連休の影響が大きいのではないでしょうか。

次は第5波です。


NewsDigest

緊急事態宣言からまん延防止措置に移行した後、感染者数が増えています。
8月中旬がピークなので、7月中は夏休み前の社会経済活動が活発に行われて、8月は夏休みで活動が減少したと思われます。

第5波がピークアウトした理由として、自粛効果とか、ワクチン効果とか、いろいろ言われていますが、結局は、世の中の「社会経済活動」という大きな動きの変化によってピークアウトしたのではないでしょうか。

 
そもそも、日本全体の社会経済活動は、結構メリハリがあると思います。

年末年始
年度変わり~5月連休
夏休み(お盆)

これらのタイミングに合わせて、多くの人が社会経済活動を行なっています。

 
年間の社会経済活動の変化を表しているものの1つに、飲食店の繁忙期と閑散期があると思います。

これは2018年に調査した飲食店の月別の売上状況です。


PRTIMES(2018/3/4)

飲食店の繁忙期は、12月、3月、4月
飲食店の閑散期は、2月、1月、8月
となっています。
また、7月は比較的売上が高い月、5月は3,4月より低くなっています。

まさに、新型コロナの感染の拡大・縮小とタイミングが同じです。
社会経済活動の状況が飲食店の売上げに反映されるのと同時に、感染の波にも反映されるということだと思います。

最終的には、社会経済活動の変化に緊急事態宣言やGoToなどの影響が加わって、感染が拡大・縮小する。
ということではないでしょうか。

 
ちなみに、第5波の縮小に関して、人流の変化があまり見られないと言われています。
人流の変化も社会経済活動と関連があると思いますが、最近はリモートワークの増加に伴って、相関が小さくなっているのかもしれません。

 
これらの考えが正しければ、今年の秋以降、第6波が来ることになります。

 

NewsDigest

このままだと、第3波と同様に、年明けに第6波のピークが来ることが予想されます。

であれば、年末の社会経済活動をもっと前に持ってくることができれば、ピークを下げることができるかもしれません。

例えば、12月に強力な社会経済活動の抑制策を実施する代わりに、10月から11月に優遇策を設けるとか。
やり過ぎると11月に感染爆発してしまうかもしれませんが・・

 
でも、年末に活動を抑制するというのは、実際には難しいですかね・・

上手く医療ひっ迫を回避できればいいのですが。