新型コロナ第5波、感染急減の理由は何だ?(その2)
去年散々言われた「ファクターX」も分からないままですが、第5波縮小の理由も分からないままになってしまうのでしょうか。
東京新聞(2021/9/28)「宣言解除は妥当」…でも感染急減の理由は「分からないことだらけ」
これほど急速に感染が縮小した理由は諸説ある。27日の専門家組織会合では、感染者数の激増や医療逼迫の報道による人々の「不安感」が外出機会を減らし感染を抑えたと分析。また、ワクチン未接種者が多い30代以下が夜の繁華街を避けていることも、感染減少の一因になったと仮定する。
「いくつか推測はあるが、はっきり確信は持てない。なぜか解析したいが、分からないことだらけだ」。専門家組織の釜萢敏・日本医師会常任理事は率直に語る。
厚生労働省のアドバイザリーボードの資料に、第5波の実行再生産数のグラフがあります。
第53回新型コロナ対策アドバイザリーボード(R3/9/27) 資料3-2 鈴木先生提出資料
実行再生産数の変化で見ると、第5波は7月の20~25日頃がピークだったようです。
この頃はちょうど夏休みの始まりで、4連休があって、オリンピックの開会式があった時です。
社会経済活動的には、夏休み前や4連休前にやりたい活動が一段落した時期と思われるので、それらが実行再生産数に影響した可能性がありそうです。
その後、8月15日前後からさらに実行再生産数の減少が進んでいます。
15日まではお盆休みの人が多かった可能性がありますが、16日以降は社会経済活動が多少増えていると思われます。
にもかかわらず、実行再生産数が減り続けています。
この頃は東京の新規感染者数が5000人を超えていた時期なので、自粛効果が働いていた可能性はあると思います。
でも、自粛効果があったとしても、人流も増えている状況で、ここまで減り続けるものでしょうか。新学期が始まる9月以降も実行再生産数の減少が続いています。
前回のブログ
で、抗体カクテルの効果があるのでは?と書いたのですが、それと同じか、それ以上に気になるのがイベルメクチンです。
Googleの検索キーワードの人気度を調べるGoogle Trendsに「イベルメクチン」を入れてみると、このようなグラフが出てきます。
8月に入ってから「イベルメクチン」の検索が急増しているのが分かります。
ピークの時は「解熱剤」より多く検索されていたようです。
1日単位のグラフで見ると、ピークは8月12日です。
8月12日は、長尾クリニックの長尾院長がミヤネ屋に出演した日でした。
東スポWeb(2021/8/12)有名医師が新型コロナ5類への変更を訴え「ワクチン接種を受けた医師が拒否するのはおかしい」
12日放送の読売テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」では、兵庫県の長尾クリニック・長尾和宏院長が出演。新型コロナの指定感染症5類へのダウングレードを提言した。
長尾氏はイベルメクチンの効果を強調。イベルメクチンは2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授が発見した物資をもとに開発した抗寄生虫薬。現在治験が行われている。その効果については賛否があり、現在治験が行われているが長尾氏は「これまで100人くらいに投与している。もちろん本人の承諾を得てですが。治験中だがコロナ患者には適用外処方で使用できる。軽症者には非常によく効く」とした上で「菅総理にもお願いしたい」と廉価で使えるイベルメクチンが広く行き渡る措置を取るように要請した。
Googleの検索が急増したのは、おそらくこれが理由ではないでしょうか。
やっぱりテレビの影響力はすごいです。
以前からイベルメクチンはそれなりに知られていましたが、この番組で一気に知名度が上がったと思われます。
医師に相談する件数も急増しているようです。
Yahoo!ニュース(2021/8/27)イベルメクチンめぐる患者相談が急増、「個人輸入」の声も
今回編集部では、Ask Doctors内で読者から医師に投げかけられた質問として多かったものを集計。
その結果、「イベルメクチン」という単語を含む読者からの質問は、今年7月時点で29件だったところ、8月1日から8月26日までの期間で130件に急増。
実際に医師にイベルメクチンを処方してもらった人が急増した可能性もありそうです。
また、Google Trendsでイベルメクチンの関連キーワードの「イベルメクチン 飲み方」は、このようなトレンドになっています。
興味深いのは、8月にピークを付けた後、9月に2つ目の山が出来ていることです。
これは8月に個人輸入で注文したイベルメクチンが届いて、服用を考えているタイミングかもしれません。
ちなみに、某個人輸入代行の購入者のコメント数を数えてみたところ、このような結果になりました。
やはり8月から急増しています。
これはコメントの数なので、実際に購入した人の数は、この数倍から数10倍の可能性もあります。
「お守り代わり」に購入した人が多いようですが、予防目的や体調不良で服用した人も散見されます。
SNSでもイベルメクチンを購入した人や服用した人の声が多数投稿されています。
もしかして、イベルメクチン服用している人が意外に増えていて、第5波の縮小に影響しているということはないでしょうか?
そうだとしたら、専門家が分からない(言えない)のも当然かもしれません。
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