新型コロナ、5類にしないのは「伝家の宝刀」だから
政府は一度手に入れた権限を手放したくないのでしょう。
テレ朝news(2022/7/29)5類見直し 後藤大臣「強力な措置を残しておくべき」
新型コロナの感染症法上の位置付けについて2類相当から5類への見直しを求める声が上がるなか、後藤厚生労働大臣は「強力な措置を残しておくべき」という考えを示しました。
後藤厚生労働大臣:「伝家の宝刀ともいうべき、いわゆる特措法上の強力な措置の可能性を残しておくべきだと」
状況に応じて臨機応変に対応を変える方法もあると思いますが、一度5類にしてしまうと、元に戻すのが大変だと考えているようです。
おそらく、政府は特措法の強力な権限を維持しておきたいのでしょう。
今後予定されているケンタウロス(BA.2.75)やサル痘などの感染拡大も念頭にあるのかもしれません。
少し気になるのは、最近の政府の動きです。
「日本版CDC」創設、感染症対策強化策を17日にも決定へ…感染研など統合
新型コロナウイルス禍を受け、政府が検討している感染症対策の抜本的強化策案の全容が14日、分かった。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し、米疾病対策センター(CDC)にならった「日本版CDC」創設を盛り込む。
日本版CDCは「感染症に関する科学的知見の基盤・拠点となる新たな専門家組織」に位置づけた。
現在の感染研は感染症研究の中核、国際医療研究センターは新たな感染症対応を含む高度な治療・研究の拠点となっている。日本版CDCとは別に、内閣官房に政府の司令塔となる「内閣感染症危機管理庁」(仮称)を創設し、トップを「感染症危機管理監」(仮称)とすることも明記した。
有事には関係省庁職員を招集して指揮下に置き、首相の指揮命令が徹底されるよう一元的に対応に当たる。日本版CDCとも連携する。厚生労働省内の関係部署を統合した「感染症対策部」(仮称)も新設し、日本版CDCは同部の所管とした。
感染拡大の初期から迅速に対応するため、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく国の権限も強化する。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用前の段階での都道府県知事らに対する国の指示権限追加も検討するとした。
何だか、組織をいろいろ作るようです。
具体的に何がどうなるのか、これだけではよく分かりませんが、「国の権限も強化する」という点は気になります。
CDCの日本事務所との関係も気になります。
読売新聞(2022/5/24)米感染症対策の司令塔、CDC日本事務所を新設の考え…バイデン氏が表明
日本経済新聞(2022/6/19)バイデン米大統領は23日、日米首脳会談後の共同記者会見で、米疾病対策センター(CDC)の日本事務所を新設する考えを表明した。
米CDC医務官「感染症監視で日米連携」 年内に日本拠点
米疾病対策センター(CDC)のミッチェル・ウルフ主席医務官(CMO)が18日までに日本経済新聞のインタビューに応じ、年内に東京都内に拠点を設置し、東アジアや太平洋地域での新たな感染症の監視体制の構築などに取り組むと明らかにした。
日本政府が設立を表明した「日本版CDC」との協力にも意欲を示した。公衆衛生分野で日米連携を強化する。米CDCの日本拠点設置はバイデン大統領が5月の来日時に表明していた。日本、韓国、モンゴル、台湾、オーストラリア、ニュージーランドや太平洋地域を活動範囲とし、感染症情報の収集や危機対応に力を入れる。
年内に東京の米国大使館内にオフィスを置き、韓国など周辺国にも順次人員を配置する方針という。日本政府内には米CDCの拠点設置で、薬やワクチンの研究開発につながる病原体の遺伝子情報などのデータ共有が活発化するとの期待もある。
ウルフ氏は「呼吸器疾患のサーベイランス(監視)情報の共有は創薬などに重要だ」と強調し、「日本拠点の地域戦略の策定はこれからだが、データ共有は優先的な協力分野の一つになるだろう」との見方を示した。
何となく、アメリカの製薬業界にはいろいろメリットがありそうな感じがします。
今後の動向が気になります・・