安倍元首相の国葬は問題だらけ(その11)

国葬実施の意義の1つの「弔問外交」も怪しくなってきました。

日刊ゲンダイ(2022/9/5)
安倍氏国葬は参列希望殺到どころか…〆切り過ぎても「諸外国から返事が来ない」と外務省困惑

9月27日に行われる安倍元首相の国葬は、米国のバイデン大統領、フランスのマクロン大統領に続き、訪日を検討中と伝えられていたドイツのメルケル前首相も参列を見送ることが分かった。


 
「外務省が担当するのは外国から来る要人の接遇経費ですが、現時点でまだ多くの国から返事を頂いていない。そういう国に対して返事の刈り取りを進めている」
「各国・地域には8月中旬をメドに回答していただきたいと伝えています。とにかく早く教えて欲しいということで、働きかけを続けています」

安倍さんの国葬の日まであと3週間ですが、そんな状況で大丈夫でしょうか。

8月上旬の時点では、多くの大物の来日を想定していたようですが、

AERAdot.(2022/8/3)
強引すぎる「国葬」裏事情 麻生副総裁の進言で「国民葬」から転換か

外務省は省内に「国葬儀準備事務局」を設置し、受け入れに万全を期している。外務省関係者によれば、「内政で苦境にあるバイデン米大統領は来日しないとみられるが、ハリス副大統領やオバマ元大統領の名前が取り沙汰されている。他にもマクロン仏大統領、メルケル前独首相、アルバニージー豪首相、インドのモディ首相らの訪問が想定されている」という。

「想定」はただの願望だったのでしょうか?

テレ朝news(2022/9/2)
安倍氏国葬に仏独の2氏参列せず 接遇費用どうなる 野党が追及

外務省関係者によりますと、アメリカからはバイデン大統領に代わりハリス副大統領が出席する方向で調整中とされ、G7=主要7カ国の現職首脳で国葬に参列するのはカナダのトルドー首相のみとなる見込みです。

トルドー首相も「見込み」のようですが、どうなのでしょう?
トルドー首相は岸田首相と6月に会談をしていて、安倍さんが亡くなった後に電話会談で弔意の表明もしています。

日加首脳会談

現地時間6月27日午前9時35分(日本時間午後4時35分)から25分間、G7エルマウ・サミットに出席するためドイツを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、ジャスティン・トルドー・カナダ首相(The Right Honourable Justin Trudeau,Prime Minister of Canada)と日加首脳会談を行った

日加首脳電話会談

7月13日午前9時5分から10分間、岸田文雄内閣総理大臣は、ジャスティン・トルドー・カナダ首相(The Right Honourable Justin Trudeau,Prime Minister of Canada)と電話会談を行った

インドのモディ首相は参列の可能性が高そうな報道をされていますが、正式に決まった話ではないようです。

The Indian EXPRESS (2022/8/25)
PM Narendra Modi to attend state funeral for Abe on Sept 27

ナレンドラ モディ首相は、9月27日に東京で行われる安倍晋三元首相の国葬に出席する予定である、と日本のメディアが水曜日に日本の政府関係者の発言を引用した。

しかし、モディ首相が安倍首相の国葬に参列するために日本を訪問することについて、ニューデリーでは公式発表はなかった。

素直に考えて、超多忙な要人の方々は「それなりの目的」がないと、わざわざ日本に来ないと思います。
岸田さんが「それなりの目的」を用意しなかったということではないでしょうか。

 
政府は国葬の会場周辺の警備費用を発表しましたが、

NHK NEWS WEB (2022/9/6)
安倍元首相「国葬」費用 総額16億6000万円程度の概算公表 政府

安倍元総理大臣の「国葬」にかかる全体の費用の概算について、政府は、今年度予算の予備費から支出を決めているおよそ2億5000万円に、警備費や外国要人の接遇費など14億円あまりを加え、総額で16億6000万円程度となる見通しを示しました。

警備費が、各地からの警察官の派遣旅費や超過勤務手当などにあわせて8億円程度
外国要人の接遇費が、車両の手配や空港の受け入れ体制の構築などにあわせて6億円程度
自衛隊の儀じょう隊が使用する車両の借り上げなどに1000万円程度
としています。

これまでのまとめでは、参列に訪れる海外の代表団は190以上で、特に接遇を要する首脳級などの代表団は50程度と見込まれるとしています。

その程度の金額でいいんですか?
サミットの警備と何が違うのでしょう?
警察庁はG7広島サミットの警備費として120億円を要求しています。

日本経済新聞(2022/8/30)
要人警護にドローン・3D分析 警察庁、関連予算20倍超

23年5月に広島市で開催される主要7カ国首脳会議(G7サミット)の警備費用としては120億8800万円を盛り込んだ。

首脳級の50の代表団が来日する国葬の警備費が8億円。
主要7カ国のサミットの警備費が120億円。
どうも納得できません。

国葬の警備は大丈夫でしょうか?
その辺の不信感も各国政府が国葬の参列を決めかねている理由の1つのような気がします・・