マイナンバーカードは利権ズブズブか?

マイナカード利権とでも言うのでしょうか・・

東京新聞(2023/2/19)
マイナ事業、84%無競争 カード発行法人の発注

マイナンバーカード発行業務などを担う「地方公共団体情報システム機構(J―LIS)」が発注したマイナンバー関連事業のうち、競争入札を実施せず任意の業者を選ぶ随意契約か、1事業者しか入札に参加しない一者応札の割合が84%に上ることが19日分かった。
予定価格に対する契約額の割合が高水準の事業が多数あり、一部の国内大手企業に契約相手が偏っていることも判明した。

2年前にも似たような報道がありました。

東京新聞(2021/5/4)
マイナンバー事業、社員出向企業が契約額の83%を受注 総額1140億円

総務省所管でマイナンバー事業の中核を担う地方公共団体情報システム機構(J―LIS)に社員を出向させている企業が、機構のマイナンバー関連事業の少なくとも72%(件数ベース)を受注していたことが本紙の調べで分かった。
出向社員の配属先からの受注が大半で、契約額では全体の83%に当たる1140億円に上ることも判明。
機構と特定の出向元企業との密接な関係が浮かんだ。

東京新聞(2021/5/4)
出向者が仕様書作成に関与、官民密接の甘い運用 マイナンバー事業

地方公共団体情報システム機構(J―LIS)が担うマイナンバー事業で、社員を出向させている特定の企業に受注が集中していることが鮮明になった。
機構は、発注の際の事業者向け説明書に当たる仕様書の作成で、出向者が助言する場合があると認めた。
入札業務への関与を明確に制限する国に対して、機構には同様の内規がなく癒着防止の意識は希薄だ。

機構は仕様書の作成に関し「意思決定プロセスに関与しない範囲で、出向者からアドバイスを受けることはありうる」と説明した。
仕様書作成には専門知識が必要で、機構の職員だけでは対応が難しいというのが理由だ。担当者の1人は「機構の職員で実際にシステムを作った人はいない。個人的にはシステムを作ったことがない人間だけで仕様書を作ることができるかは疑問だ」と話す。

この手の事業では、システムベンダーが「ご提案」という形で作成した仕様書を、ほとんどそのまま発注仕様書にしてしまうことは、よくありそうな事だと思います。
J-LISの場合は「アドバイス」と言いつつ、実際にはベンダーからの出向者が「仕様書とほとんど変わらない書類」を作成していたのではないでしょうか。
出向元のベンダーが受注で有利になるのは当然だと思います。
ズブズブな関係が容易に想像できます。

こんな話もありました。

朝日新聞(2022/11/18)
マイナカード1億枚発注済み、ほぼ全国民分のなぜ? 在庫は3千万枚

政府は2024年秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化する方針を打ち出した。
現在のカードの普及率はようやく5割を超えたところだが、ほぼ国民全員にいきわたる1億枚以上のカードがすでに発注されているという。

政府は2019年の時点でマイナンバーカードの取得義務化を決めていたようです。

日経XTECH(2019/6/25)
政府がマイナンバーカード取得「義務化」へ、追加入札5500万枚の真意

実質的な取得義務化を見据えた動きもある。市町村から委託を受けてカードを発行する地方公共団体システム機構(J-LIS)は2019年6月12日、「個人番号カード用ICカード製造業務等」として3社に合計5500万枚の入札公告を出した。
5500万枚という数字はこれまで交付した枚数の3倍以上だ。マイナンバーカードの交付枚数は2019年5月末時点で約1703万枚。人口に対する交付枚数率は約13.3%にとどまる。J-LISはマイナンバー制度がスタートした2015年度に1500万枚の入札を実施し、その後現在までに計約2910万枚を発注済み。1200万枚ほどが余っている状況だ。
それにもかかわらずさらに5500万枚もの入札をするということは発注済のカード約2910万枚と合わせて約8410万枚、人口約1億2000万人に対して交付枚数率が一気に7割近くまで増えると踏んでいるからだ。

J-LISの契約実績を見てみると、カードの発注先はNTTコミュニケーションズと凸版印刷の2社だけで、しかも令和1年以降は随意契約です。


平成27年度契約実績の公表


平成28年度契約実績の公表


令和元年度契約実績の公表


令和3年度契約実績の公表

令和1年以降のカード1枚の値段は290円です。
1億2000万人分で348億円。
マイナンバーカードの有効期間は10年なので、今後も全人口分の発注が続くことになります。

2026年にカードのデザインを変えるらしいですが、そのカードも同じ2社に発注するのでしょうか?

FNNプライムオンライン(2023/2/17)
マイナカード 3年後にデザイン更新 性別記載せず 「JAPAN」明記 海外で身分証に

政府が、マイナンバーカードの交付開始から10年を迎える2026年をめどにデザインを更新し、海外でも身分証として使えるよう検討していることが政府関係者への取材で分かりました。
新しいカードには「JAPAN」と明記するほか、ローマ字表記での名前のふりがなを加えることや生年月日について、和暦とともに西暦を併記することを検討しています。
さらに現在は表面に記載されている性別について、性的少数者への配慮として、記載しないことや、裏面に記載されている個人番号をプライバシー保護の観点から削除することも検討されています。


 
ちなみに、マイナポイント第2弾の宣伝は約50億円で電通に発注したそうです。

しんぶん赤旗(2022/7/16)
マイナポイントCM 第2弾も電通が受注

総務省が宮本議員に提出した資料によると、今年度の広報活動を電通が39億7000万円で契約。加えて「広報戦略の企画業務の請負」契約を電通が10億円で結んでおり、合計49億7000万円を同社が請け負うことになります。


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マスコミがマイナカードのリスクやデメリットをほとんど報道しないのは、50億円の効果でしょうか?

さらに、、

参議院予算委員会(2022/12/1)

マイナポイント第一弾の予算額は二千九百七十九億円、マイナポイント第二弾の予算額は一兆八千百三十四億円であり、第一弾、第二弾の予算額の合計は二兆一千百十三億円でございます。
テレビCM等を用いた広報活動や全国での携帯ショップにおけるマイナンバーカード申請サポート事業など、総務省におけるマイナンバーカードの啓発を含む普及促進に係る予算額は合計で二百五十九億円となっております。

2兆円の大部分はポイント分だと思われますが、カード取得の実質義務化は既定路線にも関わらず、取得促進のために巨額の予算を計上するのは、何か怪しい感じがします。

マイナカード利権、いろんな所にありそうです・・