公金受取口座の登録システムもボロボロ

この制度、一旦中止して、一から全て考え直した方がいいのではないでしょうか。

朝日新聞(2023/6/4)
マイナ公金受取登録に家族口座多数 給付金等、本人に渡らない可能性


 
政府からの給付金を受け取るための預貯金口座を、マイナンバーとひもづける公金受取口座の登録制度で、本人でない家族名義の口座が多数登録されていることが分かった。

親が子どもの手続きをする際に、自分名義の口座を登録した例が多いとみられる。子ども向けの給付金などが本人に渡らない可能性がある。
政府関係者は、「妻への給付金がDVを理由に別居している夫に振り込まれてしまう問題も予想される」としている。
規定では本人名義の口座に限るとしており、政府は今後、こうした登録をいったん取り消すことも視野に対応を検討する。

JIJI.COM(2023/4/6)
公金受取口座に家族名義 河野デジタル相、「振り込まれぬ」と注意喚起

河野太郎デジタル相は4日のフジテレビの番組で、個人に割り振られたマイナンバーとひも付けて設定する「公金受取口座」について、本人ではなく家族名義の口座で登録されたケースがあったと明らかにした。

河野氏は、実際に給付金が支給される際、本人名義でないと振り込まれないとして、注意を呼び掛けた。

フジテレビの番組は見てなかったのですが、河野大臣はデジタル庁の責任をどれだけ認識しているのでしょう?

マイナポータルの公金受取口座登録の利用規約 には、このように記載されています。

第9条 本システムへの公金受取口座の登録を希望する者は、デジタル庁の定める方法により登録申請をすることができます。
2 前項に定める登録申請を受付した後、デジタル庁において預貯金口座の実在性を確認する等、申請のあった情報の審査を行います。
3 前項に基づく情報の審査が完了した場合、デジタル庁は、本システムに、本人情報、追加的本人情報および口座情報を登録し、第1項に基づき登録申請を行った申請者に対し所定の方法で登録完了の通知をします。

公金受取口座は、申請された情報をデジタル庁が審査してから登録することになっています。
デジタル庁が入力された口座番号を厳格に審査せずに登録したからこのような事態になったということです。
デジタル庁の怠慢とも言えるのではないでしょうか。

行政側が機械的に口座と本人を確認する仕組みはなく、登録できてしまう

つまり、口座が実在さえしていれば、家族の口座でも友人の口座でも、闇で入手した口座でも、誰の口座でも登録できてしまうということです。

本人を確認する仕組みがないなら、用意すべきでしょう。

一体、デジタル庁はどういう意識で仕様を決めているのでしょう?
とても全国民の個人情報・口座情報を管理する組織とは思えません。

 
そもそも、何年後に使うかも分からない公金受取口座を事前に登録しておく必要性、メリットがどれだけあるのか、大いに疑問に感じます。

登録してから何年も経ってしまうと、存在を忘れたり、解約したり、休眠口座になっている可能性もあります。
昔使っていた口座に振り込まれても、引き出すのが面倒な場合もありそうです。
親が勝手に作った口座は、子供は知らないかもしれません(当然、引き出すこともできない)。

結局、実際に使う時に登録の変更が必要になる場合が結構ありそうです。

むしろ、公金が支給される時に、迅速に振込先を登録できるシステムを用意しておくほうが重要な気がします。

さらに言えば、銀行のATMにマイナカードを入れたら公金(現金)が出てくるとか、役所の窓口でマイナカードを提示したら、その場で公金(現金)をもらえるといった方法の方が、よっぽどシンプルで有事にも使えそうです。

政府の役人は国民の口座番号を収集することばかり考えているから、本質を見失った杜撰で使えないシステムになってしまうのではないかと、疑ってしまいます。

 
噂では、最近、銀行に家族連れでやってきて、全員分の口座を新規で作る人が結構いるらしいです。
公金受取口座の登録用だそうです。
最初に1000円だけ入れて、数日後には残高が0になっているとか。
銀行もいい迷惑だと思います。

 
公金受取口座の登録制度、一旦中止して、すでに登録されている口座は全部無効にして、一から全て考え直した方がいいのではないでしょうか。

配ってしまったマイナポイントは、当然、デジタル庁の責任で回収する必要があると思います・・