マイナ保険証とオンライン資格確認をごっちゃにするな！（その２）

2023-07-31

税金・役所・マイナンバー

この記事はマイナ保険証推進側のプロパガンダでしょう。

TBS NEWS DIG (2023/7/26)
年間数百万件の手続きミス「劇的に減る」マイナ保険証導入で厚生労働省　なりすまし防止効果も強調

国会での閉会中審査で、厚労省の担当者は、今の健康保険証によって年間数百万件の手続きミスやなりすまし事案が発生しているとしたうえで、マイナ保険証の導入でミスを大きく減らせると答弁しました。

この記事を見た人は、「年間数百万件のなりすまし事案が発生している」と思うのではないでしょうか。

本当は、
「手続きミス」は年間数百万件。
「なりすし事案」は何件あるか分からない。
というのが厚労省の説明です。

また、手続きミスを大きく減らせるのは、「マイナ保険証」の効果ではなく、「オンライン資格確認」の効果です。

実際の答弁は以下のようになっています。

公明党　上田勇参議院議員（1:19:45～）

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今の顔写真がない保険証からマイナンバーカード保険証に切り替えることによって、誤った誤使用や不正な使用を減らすことができるとの説明を、我々は聞いてきました。
まず、こうした不正使用等がどの程度あるのかについては、古い資料ではあるのですけれども、厚生労働科学研究費補助金で実施された大学の研究者らによる報告書には、保険情報の誤りや不正使用は全国で年間600万件に上っており、その処理のための経費が1000億円を超えるという記述がありました。
この数字について私調べてみたのですけれども、その根拠は必ずしも明らかではないのですが、まあ相当な件数があるということは想像がつくところであります。
厚生労働省として、こうした不正使用等の現状をどういうふうに認識されているのでしょうか。

厚生労働省　伊原保険局長（1:20:52～）

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今先生がご指摘ございました、年間600万件という調査の話がございましたけれど、大きく２つこの問題についてあると思います。

１つはよく言われる、保険証が顔写真が付いていないので、成りすましということが行われているのではないかということでございますが、こちらは具体的な件数という意味においては、なかなか把握が難しくて、摘発されている事例とか、そういうのはございますけれども、実際本当のところ何件あるかというのは分からないのですが、
もう１つの課題は、古い保険証を使って受診してしまうという方が実際いらっしゃいまして、それが今まで、過去、医療機関に返戻という形で年間600万件位、医療機関に差し戻されるというようなことが行われてきたということでございます。

それでもう少し具体的に申し上げますと、現在の保険証はですね、券面に顔写真がございませんので、やはりどうしても他人の保険証をその方と共謀したりして使う事例がございまして、今までも摘発された事例がございましたが、マイナンバーカードを保険証化すると、それは防げるということが期待できるところでございます。

もう１つの課題がですね、先ほど申し上げましたけれども、患者が新しく転職等をしたので、新しい保険証を本来使っていただきたいところですけれども、手元にないことによって、過去の保険証を使ったりして、実際受診を受けてしまう。
ところが、そうなりますと、医療機関が請求しても、その方はもうすでに保険資格がないので、医療機関に差し戻されるということが従来ございました。
しかし、今回、このオンライン資格確認システムという仕組みができることによりまして、過去の保険者のデータで請求しても、支払機関の方で振り替えまして（レセプト振り替えと言いまして）、本来の新しい保険者のところに請求することが自動的にできるような仕組みを導入してございます。
これに伴いまして、従来発生していた年間数100万件といわれるような返戻、これが大きく劇的に減ってきているというのが現状でございます。