令和の米騒動(その2)
政府が言っていることは全く信用できません。
毎日新聞(2024/8/27)コメ品薄で官房長官「在庫は十分、落ち着いた購買行動を」
林芳正官房長官は27日の記者会見で、全国的なコメの品薄状況が続いていることに関し「必要な量だけコメを買い求めいただくなど、落ち着いた購買行動をお願いしたい」と国民に向けて呼びかけた。
「全体需給としては逼迫(ひっぱく)している状況にはなく、十分な在庫量が確保されている」とも強調した。林氏は品薄の店舗が多くなっている要因について、在庫が最も少なくなる端境期の8月に南海トラフ地震臨時情報と神奈川県西部地震により買い込み需要が発生したことと、輸送業者がお盆休みに入った影響をあげた。
今後の出荷見通しについては「新米は9月には早期米が本格的に出回るが、令和6年産米の生育は順調で出荷も前倒しで行われる見込みで、品薄な状況は今後順次回復していく」と語った。
南海トラフ地震臨時情報も、神奈川県西部地震も、起きたのは8月ですが、すでに6月の時点で、米の需要が前年を上回る状況でした。
政府は米不足を地震のせいにしたいようですが、根本的な原因は、政府が需要と在庫量の予測を誤ったことにあるのではないでしょうか。
2023年3月1日時点の見通し
米に関するマンスリーレポート(令和5年8月)
2023年7月31日時点の見通し
米に関するマンスリーレポート(令和5年8月)
去年の7月末時点の見通しは、需要量は681万トン、2024年6月末の在庫量は184万トン。
今年の3月5日時点の見通しも需要量は681万トンのままで、在庫量は177万トン。
2024年3月5日時点の見通し
米に関するマンスリーレポート(令和6年8月)
ところが6月末の実績は、需要量は702万トンに増え、在庫量は156万トンまで減っていました。
2024年6月末の実績
米に関するマンスリーレポート(令和6年8月)
予測に対して、需要量が21万トンも増えていたのです。
実は、今年の5月頃から、米の供給に不安が出ていることが報道されていました。
日本農業新聞(2024/5/23)米需要急増 米穀店で一部欠品も 9割「調達に苦戦」
米の需給逼迫(ひっぱく)が、米穀店の仕入れに影響を及ぼしている。業界団体は緊急調査を実施し、調達に苦戦する米穀店が9割に迫ることが分かった。米は物価高騰下の節約志向を受けた家庭消費の拡大や外食の回復で需要が急速に高まる。仕入れが追い付かずに一部欠品する米穀店が出るなど、混乱が広がっている。
情報に敏感な人や企業は、この頃から米を多めに購入する等、対策をしていたと思います。
政府はその時点で、備蓄米の放出の検討を始める必要があったかもしれません。
世の中に不足感が出始めると、需要が急増することは、十分想定できる事態です。
でも、政府は何もしませんでした。
そして、実際に米騒動が起きてからは、「9月になれば大丈夫」と言うだけです。
本当に大丈夫でしょうか?
今年の3月5日時点の、令和6/7年の需要予測は、670万トンです。
2024年3月5日時点の見通し
米に関するマンスリーレポート(令和6年8月)
この予測を元に、今年の春、全国の田んぼで米の作付けが行われていると思われますが、令和5/6年の需要量より32万トンも少ないです。
7月30日に需要量の見通しを更新していますが、3万トン増やしただけです。
2024年7月30日時点の見通し
米に関するマンスリーレポート(令和6年8月)
政府は令和5/6年の需要増加を一時的なものと考えているのでしょうか?
米の販売数量は去年から増え続けています。
今後も需要の増加が続けば、9月以降に新米の出荷が本格化しても、しばらくしたら品薄になって、今よりもっと大変な米騒動になってしまう可能性があります。
政府はこの事態、真面目に考えているのでしょうか。
もしかして、政府は何らかの目的で、意図的に米を不足させている?
令和の米騒動、いつまで続くのでしょうか・・
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