ワクチンパスポート導入の本当の目的は何だ?(その2)
デジタル庁はスマホ版ワクチンパスポートの検討を進めているようです。
デジタル庁(2021/9/17)コロナワクチンの接種証明書(電子交付)の仕様に関するご意見を募集します
現在デジタル庁では接種証明書の電子交付の検討を内閣官房とともに進めています。
接種証明書の電子交付についてはまずは可能な限り早いタイミングでサービスを開始した上で、今後もニーズを踏まえてサービスの拡張を行っていくことも求められていると考えています。
デジタル庁が検討中のワクチンパスポートはこんな仕様だそうです。
ワクチン接種証明書 発行手続き 第3回自治体向け説明会 資料
アプリの外観的にはQRコードと本人の名前などを表示させるだけのシンプルな仕様のようですが、実際にこのアプリにどんな機能が盛り込まれて、どのように使うのかは注意しておいたほうがよさそうです。
あまり知られていないかもしれませんが、国民のワクチン接種のデータは、すでにマイナンバーと紐づけられて、VRSというシステムで管理されています。
ワクチン接種記録システム(VRS)について「いま知ってほしいワクチン接種記録システム」
ワクチンパスポートの発行もVRSのデータで行うので、ワクチンパスポートの証明書IDとマイナンバーは紐づいていると思われます。
ということは、ワクチンパスポートのQRコードも、マイナンバーと紐づいていることになります。
ワクチンパスポートのQRコードは、不用意に人に見せたり(撮影させたり)しない方がいいと思います。
スマホにインストールされるワクチンパスポートは、単なる接種証明にとどまらない可能性もあります。
やろうと思えば、国民の行動監視に使うことも可能だと思います。
位置情報と連携すれば常に居場所が分かり、決済機能と連携すればいつ何を買ったかも分かる。
表向きは「濃厚接触者調査の効率化」のような理解を得やすそうな目的にして、裏では犯罪捜査や税務調査に活用するといった事も、将来的にはあり得るかもしれません。
さすがに、いきなり中国のような事にはならないと思いますが。
DIAMOND online (2021/8/26)中国版ワクチンパスポートに潜む、国民監視の「真の狙い」
中国政府は国民の命を守るという大義名分を唱えることで、これまで以上に私権制限を堂々と行うことができるようになった。
接種証明書をほぼ全員のスマホへ入れることで、中国のテック企業であるテンセントが運営するメッセージアプリであり、検閲やユーザー監視が行われているという批判の声もあるWeChat(ウィーチャット)を超えるデジタル監視体制ができつつある。
ちなみに、マイナンバーカードを作る時に提出した顔写真は、データ化されてカードのICチップに入っていますが、そのデータは役所のサーバーにも保存されているはずです。
つまり、マイナンバーカードを作ると、顔のデータが役所に登録されることになります。
中国のように顔認識技術を使った国民監視システムを作ることも、技術的には可能だと思います。
政府がマイナンバーカードを普及させようと躍起になっているのは、その辺の狙いもありそうな気がします。
いずれにせよ、スマホにインストールするワクチンパスポートは、政府にとって非常にメリットの大きいアプリに発展する可能性があります。
取扱いには注意したほうがいいかもしれません。
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