なりふり構わぬマイナンバーカードの普及促進
政府がマイナンバーカードの普及に躍起になっているのは、それなりの訳があるはずです。
毎日新聞(2021/11/10)マイナポイント、段階ごとに最大2万円付与 自公が最終調整
自民・公明両党は新型コロナウイルス感染拡大に対応するための経済対策のうち、マイナンバーカード保有者への「マイナポイント」付与について、新たにカードを取得した人に5000円分、カードを健康保険証として使うための手続きをした人に7500円分、預貯金口座とのひも付けをした人に7500円分をそれぞれ支給する最終調整に入った。
いったい、このバラマキ方は何なのでしょう。
カードを普及させるために、なりふり構わずということでしょうか。
今年の5月時点のマイナンバーカードの交付率は30%だそうです。
ImpressWatch(2021/5/7)マイナンバーカード、交付率30%に
マイナンバーカードの交付済枚数が5月5日時点で3,814万6,771枚となり、交付率30%になった。
「そんなに交付率を上げたいなら、マイナンバーはすでに全国民が持っているわけだから、強制的にカードを送りつければいいのではないか?」
という意見を聞いたことがありますが、それはやりたくない理由があるのだと思います。
正式に聞いたことはありませんが、おそらく、政府がマイナンバーカードを普及させたい最大の理由は「顔写真」ではないでしょうか。
政府はマイナンバーカードの健康保険証としての利用を進めています。
マイナンバーカードを健康保険証として使う時は、医療機関でこのような顔認証機能が付いたカードリーダーを使用します。
現時点で4機種が認定されているようです。
パナソニックのカードリーダーはこんな感じだそうですが、前面にカメラが付いていて、マイナンバーカードに記録されている顔写真のデータと照合する機能が搭載されています。
従来の保険証には顔写真がないので、医療機関で保険証を出せば、それ以上の本人確認はなく保険診療が受けられましたが、マイナンバーカードが保険証になると、確実に本人確認が行われることになります。
成りすまし防止の効果はかなりありそうです。
保険証の資格確認も、そのままオンラインで行われます。
(参考)オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け)
マイナンバーカードを使った顔認証を全国規模で行うのは、おそらく健康保険証が初めてではないでしょうか。
この健康保険証を手始めに、今後、様々な所に導入されていく可能性があると思います。
マイナンバーカードのICチップ内の空き領域は、様々な用途に活用できるようになっています。
内閣 マイナンバー制度とデジタル化のこれから(R2/12/10)
この空き領域は、すでにいくつかの自治体や企業で入退室管理などに利用されているようです。
内閣 マイナンバー制度とデジタル化のこれから(R2/12/10)
限られた範囲でそれぞれが独立して運用されている分には、あまり気にする必要はないかもしれませんが、これが全住民とか全国民といったような大規模な話になったら要注意だと思います。
マイナンバーと顔認証を活用すれば、技術的には、いろいろな事が可能になります。
政府が莫大な予算をかけてマイナンバーカードを普及させようとしているのには、それなりの訳があるはずです。
こんな社会は避けたいです。
(イメージを描いてみました)
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