マイナンバーカードによる国民監視・管理の流れは止まらない
これも国民監視の一環でしょう。
ITmedia NEWS (2023/4/25)マイナカードで住所変更したら、銀行など金融機関にも一括反映 5月16日開始
マイナンバーカードの住所情報を変更すれば、その情報が金融機関などにも渡り、一括反映するサービスが5月16日に始まる。河野太郎デジタル相が4月25日の会見で発表した。
本人の同意に基づいて、マイナカードに登録した基本4情報と呼ばれる住所、氏名、生年月日、性別といった情報を民間企業に提供する。対象は銀行や証券、生命保険、損害保険を想定している。
デジタル庁の資料には、
公的個人認証サービスを利用して本人確認を行う場合には、
同意を得ることにより顧客の変更後の住所等※を国の機関(J-LIS)から入手することができる
(※住所、氏名、生年月日、性別の4情報)
と書かれています。
マイナンバーカードの普及・利用の推進に関する関係省庁連絡会議(第4回)
「公的個人認証サービスを利用した場合」ということなので、オンラインで口座開設をするような場合に、マイナンバーカードの電子証明書で本人確認をする場合が該当すると思われます。
そして顧客の同意があれば、その金融機関は住所などの4情報をいつでも照会できるようになるようです。
「同意」を具体的にどのように得るのかよく分かりませんが、チェックボックスのような簡単なものだと、口座開設の一連の手続きの中で、あまりよく考えずに同意してしまう可能性もありそうです。
この制度は、
住所等変更確認のために、金融機関等事業者は、いつでもオンラインで顧客情報を最新化できる
ということで、金融機関や政府・自治体・警察等には多くのメリットがありそうです。
金融機関にとっては、
・金融庁からうるさく言われているマネーロンダリング対策
・国税や自治体などからの口座情報照会の対応
・ローン契約者の所在や生存の確認
・休眠口座の確認など口座名義人との連絡
・金融商品の販売などの営業活動
など、様々な場面でメリットがありそうです。
政府や自治体・警察等にとっては、資産調査や徴税、犯罪捜査などの効率が大きく向上しそうです。
逆に、顧客にとってのメリットはどれだけあるのでしょう?
現状、440社以上の民間事業者がマイナンバーカードの公的個人認証サービスを利用しているようですが、今後さらに増えていくでしょう。
金融機関や保険会社が多いですが、キャッシュレス決済の事業者や不動産会社、携帯電話の会社などもあります。
デジタル庁はライフライン(電気・ガス・水道)の引っ越し手続きにも拡大しようとしています。
また、マイナンバーカードの電子証明書を搭載したAndroidアプリがまもなくリリースされます。
ImpressWatch(2022/10/13)Androidスマホのマイナカード機能搭載、23年5月11日スタート
スマートフォンへのマイナンバーカード機能内蔵の日程が決定し、Androidスマートフォンへの対応が2023年5月11日にスタートする。iPhoneについては、「決まり次第報告」(河野デジタル大臣)とした。
オンラインの本人確認の手続きがどんどん簡単になっていきます。
簡単になればなるほど、「本人確認」という手続きに対する意識も警戒もなくなっていくでしょう。
そのうち、本人が知らないうちに(勝手に)本人確認が行われ、個人情報が連携されるようになるかもしれません。
とにかく、政府はあの手この手で公的個人認証による本人確認と個人情報の連携を拡大しようとしています。
そして、全国民が生まれてから死ぬまで、様々な場面でマイナンバーカードが必要になる社会を目指しているようです。
もう、マイナンバーカードによる国民監視・管理の流れは止まらないでしょう。
ちなみに、マイナンバーカードの電子証明書は「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」という国と地方公共団体が共同で管理する法人が一括管理しています。
そのJ-LISについて定めた「地方公共団体情報システム機構法」には以下の条文があります。
e-gov法令検索地方公共団体情報システム機構法
第五条 2 機構の定款の変更は、内閣総理大臣及び総務大臣(以下「主務大臣」という。)の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第十三条 理事長及び監事は、代表者会議が主務大臣の認可を受けて任命する。
総理大臣と総務大臣に強力な権限があるようです。
究極的には、
政府の都合によって、国民一人ひとりの電子証明書の有効・無効が決められてしまう。
といった事もあり得えない話ではなさそうです・・