アベノミクス失敗
大企業と富裕層にとっては、大成功かもしれませんが。
東京新聞(2024/10/19)アベノミクス失敗―野田氏 農業振興で地方活性―首相
毎日新聞(2024/10/16)立憲民主党の野田佳彦代表は安倍政権の経済政策「アベノミクス」について「明らかに失敗だ。格差が拡大した」と批判、人への投資による賃上げを唱えた。
物価高なのにデフレ脱却?石破政権「アベノミクス総括を」
石破茂政権のもとで議論を深めるべきことは安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の総括だ。石破氏は総裁選でアベノミクスの金融緩和と財政出動の弊害を念頭にその功罪を検証すべきだと主張した。しかし、首相就任後はトーンダウンし、むしろアベノミクスを擁護する発言をするなど主張のブレが目立つ。
石破さんがブレブレなのは自民党の総裁になってよく分かりましたが、アベノミクスの功罪の検証はいつやるのでしょう?
まあ、すでにいろんな所で検証されているので、今さらやる必要はないかもしれませんが。
以下は立憲民主党が2021年に公表した検証結果の一部です。
立憲民主党(2021/9/21)「適正な分配と安心を高めることこそ、何よりの経済対策」枝野代表らが、アベノミクス検証委員会 報告書について会見
「『お金持ち』をさらに大金持ちに、『強い者』をさらに強くしただけに終わった。期待された『トリクルダウン』は起きず、格差や貧困の問題の改善にはつながらなかった」
実質賃金の低下
2012年を100とした実質賃金が下がり続けて、5%近く減っている。それにともない世帯消費が低下し、10ポイント近く減っている。
株主偏重と企業の内部留保増
株主資本主義、というか米国流の株主偏重。ガバナンス改革と称して導入した結果、このように明らかに配当額がぐっと上がっている。にも関わらず、従業員の給与はもう横ばいというか、増えていない。
実に分かりやすいデータだと思います。
アベノミクスによって、実質賃金が低下し、世帯消費も低下しました。
その一方で、大企業の利益と内部留保は増加し、株主の配当金は大幅に増加しています。
アベノミクスの開始とともに下落した実質賃金は、その後、2回の消費税増税と、コロナ、ウクライナ、円安進行によって、さらに下落することになりました。
毎日新聞(2024/10/19)(赤字は筆者が追記)
結局、中間層の所得が減って、格差が拡大しています。
野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計
2021年の富裕層・超富裕層の合計世帯数は、この推計を開始した2005年以降、最も多かった2019年の132.7万世帯からさらに15.8万世帯増加しました。富裕層・超富裕層の世帯数はいずれも、安倍政権の経済政策(「アベノミクス」)が始まった2013年以降、一貫して増加を続けています。
2021年の日経平均は2万8千円位、1ドルは110円位なので、現在の富裕層の資産はさらに大幅に増えていると思われます。
大企業と富裕層にとっては、アベノミクスは大成功と言えるかもしれません。
一方、資産所得とは無縁の庶民にとっては、アベノミクスは失敗でしょう。
格差の拡大は、相対的に貧しい人が増えるということです(相対的貧困)。
社会全体にとって、良い状態ではないはずです。
若者の経済的不安が少子化の一因と言われています。
ニッセイ基礎研究所「少子化問題に影を落とす若年層の経済状況」
経済的に不安定な氷河期世代と凶悪事件の関連も指摘されています。
PRESIDENT Online(2022/7/29)「貧困と孤独と高年齢化…近年の凶悪事件で顕在化した「氷河期世代」という日本の地雷原」
最近連日報道されている連続強盗事件も、背景には経済的な要因があるのかもしれません。
いずれにせよ、大企業や富裕層に富が集中するような政策は、間違っていると思います。
トリクルダウン理論も間違いでした。
本来なら、政府が富の再分配をする必要があるはずです。
でも、企業・団体献金を断ち切れない自民党は、それはできないようです・・
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