アベノマスク、反省だけならサルでもできる

アベノマスク8000万枚の不良在庫問題が公になってから1か月以上経過していますが、まだこんな状態です。

朝日新聞(2021/12/14)
アベノマスク含む大量在庫、見えぬ解消策 岸田首相「反省点あった」

新型コロナウイルス対策として政府が調達した「アベノマスク」を含む布マスク約8千万枚が使われずに倉庫に眠っている問題で、岸田文雄首相は14日の国会論戦で「反省すべき点があった」と述べた。在庫の解消策については「予断を持って申し上げるのは控えたい」と具体案を示すことはなかった。

毎月の保管代はいくらかかっているのでしょう?
政府は税金を無駄に垂れ流していることに罪悪感を持ってほしいです。

今ごろこんな事を言っていますが、

毎日新聞(2021/12/15)
アベノマスク「希望する自治体、個人に配布」 大量在庫で官房長官

松野博一官房長官は15日午前の記者会見で、新型コロナウイルス対策で政府が調達した「アベノマスク」などの布マスクが大量の在庫となっている問題で「希望する自治体、個人に配布するなどの取り組みを進める」と述べた。

今からこんな事やっていたら、希望を取って、集計して、発送して、あと何カ月も保管代がかかり続けるのではないでしょうか。
事務作業するスタッフ代もかかりそうです。
それに送料は誰が払う?

どうせ8000万枚も希望は来ないだろうから、7000万枚位さっさと捨てた方がよさそうな気がします。
結局、処分代はかかるけど・・

 
8000万枚のアベノマスクは現在、東京近郊の倉庫にあるそうです。

東京新聞(2021/12/3)
さまようアベノマスク、倉庫を転々 今なお8000万枚 保管費用は6億円超にも

新型コロナウイルス対策で政府が昨年、全戸配布した「アベノマスク」など布製マスク8000万枚以上が引き取られず、東京近郊の倉庫で眠っている。

鉄製ラック(高さ約1.7メートル、横、奥行き約1.2メートル)で、3段に段ボールをびっしりと積み重ねている。つまり、段ボールの壁の高さは約5メートル。それが、広さ80メートル×60メートルほどのフロアを埋め尽くしている。

1フロア80m×60mの倉庫を埋め尽くしている。
すごい量です。

これは配布もされずに完全に「無駄」になった分ですが、配布された2億枚以上のうち、実際に活用されたのが何枚なのかも気になります。


会計検査院 布製マスク配布事業の実施状況等

街でアベノマスクをほとんど見かけない状況を考えると、442億円のほとんどが「無駄」になっている可能性があります。

朝日新聞(2021/12/14)

岸田首相は「マスクが逼迫(ひっぱく)し、社会に不安が広がっている中、少しでも国民の不安を和らげ、国民の健康を守りたい思いで緊急的に実施されたものだと認識している」と強調。

だそうですが、そもそも、
税金を400億円も使ってやる事か?
と言いたいです。

アベノマスクの功績を強いてあげるなら、国民に布マスクを再認識させたことだと思います。
手作りの布マスクをする人が増えて、マスク不足の解消にも多少は貢献した可能性があります。
でもそれなら、タレントを何人か雇って、布マスクのアピールをしてもらえば十分だったと思いますが。

もっと品質や性能の良い布マスクだったら、400億円が無駄にならなかった可能性もあると思うのですが、そんな発想は全くなかったようです。


会計検査院 布製マスク配布事業の実施状況等

マスクの仕様をよく考えず、品質のこともよく考えず、とにかく全世帯に配ることしか考えてなかったのでしょう。
反省するなら、その辺の事もしっかり検証して今後の仕事につなげてほしいです。


 

ちなみに、これ、悪くないアイデアだと思うのですが、

東京新聞(2021/12/3)

マスクとしては不人気のアベノマスクだが、安倍さんのレガシーとして史料的な価値を評価する動きがある。北海道の浦幌町立博物館は昨年、町民らがデザインしたマスクを集めた企画展を開いた。そこにアベノマスクが陳列された。
担当の持田誠学芸員は「アベノマスクはコロナの時代を象徴し、定着した言葉で、忘れてはいけない。政策をいろいろな角度で検証し、この時代を考える史料として欠かせない。いずれ教科書にも載るのではないか」と狙いを説明する。

どうせなら、政府の各省庁に1万枚位ずつ配って、職員が毎日出勤した時に目に付く場所に展示したらいいのではないでしょうか。

当然、国会議事堂にも。